
「食事中に歯がグラグラと揺れるのが気になってきた…」
「グラグラする歯を止める方法はあるの?」
上記のように、食事やブラッシング中に歯が揺れて気になるという方も多いのではないでしょうか。
歯がグラグラと揺れる症状は、多くの人が経験するお口のトラブルの一つです。
歯のグラつきには、軽度から緊急性の高い状態のものまであり、放置し続けると歯を失いかねません。
この記事では、歯のグラつきの原因から治療法、応急処置までをムクノキ歯科の歯科衛生士である東山が解説します。

歯がグラグラする主な8つの原因

歯のグラつきには複数の原因があり、代表的な原因として以下の8つが挙げられます。
②歯根周囲の感染
③噛み合わせや歯ぎしり
④不正咬合(歯並びの不正)
⑤外傷や事故によるダメージ
⑥全身疾患や薬の副作用
⑦加齢による変化⑧不適切なブラッシング
それぞれ症状によってグラグラの程度が異なるため、適切な治療を受けるため原因の特定をしましょう。
①歯周病による骨の吸収
歯のグラつきの原因として、歯周病は最も一般的です。
プラークや歯石に含まれる細菌が歯茎に炎症を起こし、進行すると歯を支える「歯槽骨(しそうこつ)」を溶かしはじめます。
初期の歯肉炎では歯茎の出血や腫れが見られ、軽度歯周炎では歯と歯茎の間に歯周ポケットが形成されます。
中等度になると骨の吸収が進み、重度では歯が大きくグラつくようになるのです。
歯周病の早期発見と治療により、グラついた歯を少しでも長く残すことに期待できます。
歯周病については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
☞【知らないと恐ろしい】歯周病について|歯周病ってどんな病気?症状と歯周病の治療方法について
②歯根周囲の病気
歯の根に膿が溜まると、歯のグラつく原因になります。
虫歯が進行して神経が死んでしまったり、過去の治療が不完全だったりすると、歯根に膿がたまる「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」が起こります。
根尖性歯周炎により歯根周囲の骨が溶かされ、歯がグラグラしはじめるのです。
慢性化した場合、痛みが少ないケースもありますが、急性化すると激しい痛みと腫れを伴います。
放置すると周囲の歯にも影響を与えるため、早期の根管治療が必要です。
歯の根の病気は、以下の記事でまとめています。
☞歯の根に膿が溜まる原因と治療について|早期治療で歯を抜かずに守る方法を歯科衛生士が解説
③噛み合わせや歯ぎしり
噛み合わせや歯ぎしりは、特定の歯に過度な力がかかり、歯がぐらつくケースがあります。
噛み合わせが悪かったり、歯ぎしりや食いしばりの癖があったりすると、噛む力により歯を支える「歯根膜(しこんまく)」や「歯槽骨」に負担がかかります。
特に就寝時の歯ぎしりは無意識に強い力がかかるため、歯へのダメージが大きくなりやすいです。
マウスピースを使用して歯を保護し、噛み合わせの調整を行うことで症状の改善が期待できます。
噛み合わせや歯ぎしりについては、以下の記事でも解説しているので、あわせて読んでみてください。
☞歯ぎしりすると顎が痛くなる?体に与える影響と改善策を歯科衛生士が解説
④不正咬合(歯並びの悪さ)
歯並びが悪いと、噛む力が一部の歯に集中しやすく、歯をグラグラさせる原因となります。
局所的な負担は、特定の歯の歯根膜や歯槽骨に過度なストレスがかかりやすいです。
また、歯が重なっている部分は清掃が難しく歯周病のリスクも高まります。
根本的な解決には矯正治療が必要ですが、症状によって噛み合わせの調整だけで改善する場合もあるでしょう。
歯並びが与える影響については、以下の記事でも解説しています。
☞歯並びが悪い人にはどんな特徴がある?原因やリスクと改善方法を解説!
⑤外傷や事故によるダメージ
スポーツでの接触や転倒などの外傷により、歯や歯根膜に損傷が生じて歯が揺れるケースもあります。
外傷直後は症状が軽くても、時間が経つにつれて歯がグラつき始めたり、外見上は問題がなくても、歯の根にダメージを受けている可能性が高いです。
外傷を受けた場合は、症状がなくても歯医者を受診することが重要です。
早期発見により適切な処置を行えます。
⑥全身疾患や薬の副作用
全身疾患や薬の副作用による体の代謝や、歯周病との関連性により歯がグラつくケースがあります。
例えば、糖尿病や骨粗鬆症、免疫疾患などの全身疾患、ステロイドや抗がん剤などの薬剤も歯茎や骨に影響を与える場合があります。
これらの影響により歯のグラつきが生じることがあるため、口内だけでなく全身の健康状態管理も大切です。
⑦加齢による変化
加齢は生理的な変化ですが、歯周病や他の要因と組み合わさることで、歯のグラつきが起こりやすくなるのです。
加齢による変化を完全に止めることはできません。
しかし、適切なお口のケアと定期的な歯科検診により、グラつく症状の進行を遅らせることができます。
⑧不適切なブラッシング
不適切なブラッシングは、口内の衛生環境を維持できず、歯がグラつき始める原因の一つとなります。
間違った歯の磨き方では汚れが十分に除去できず、歯周病のリスクが高まります。
歯磨きの際に過度な力をかけたり、硬すぎる歯ブラシを使用したりすると、歯茎が下がり歯の根が露出しはじめます。
適切なブラッシングの圧は、指で爪を押すと色が変わる程度の軽い力で、歯ブラシは「やわらかめ」または「ふつう」の硬さを選び、小刻みに動かしましょう。
正しいブラッシングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
☞歯磨きは一日何回が理想?健康な歯を守る頻度を歯科衛生士が解説
歯のグラつきに関する治療について

歯のグラつきが自然に治るかどうかは、原因と症状の程度によって大きく異なります。
軽度の症状では改善の可能性がありますが、グラつきが進行した状態では回復しない傾向です。
しかし適切な治療を受ければ、歯を維持できる可能性は高まります。
歯医者での専門的な治療について、具体的な治療選択肢を解説します。
歯のグラつきに対する治療
歯医者では症状に応じて様々な治療を行います。
永久歯は一度失うと自然には再生しないため、グラつきが見られた場合は必ず治療が必要です。
軽度の歯周病であれば、歯のクリーニングである「スケーリング」や「ルートプレーニング」によって歯石や感染組織を除去します。
重度の場合は、歯周外科治療である「フラップ手術」のように、歯茎を切開して歯根面の汚れを取り除き、歯の健康を保ちます。
また、グラついた歯をマウスピースで軽減する「スプリント治療」も検討可能です。
治療方法は原因と進行度に応じて決定されるため、詳細な検査が重要です。
症状の程度により治療方法は異なりますが、早期発見・早期治療で歯を維持できる可能性が高まります。
歯のグラつきに関する治療期間
治療期間は症状の程度により大きく異なります。
軽度の歯周病治療であれば数週間から数ヶ月、重度の場合は半年以上かかるケースもあります。
ただし、歯のクリーニングで歯周病の進行を抑えるため、定期的に受診を続けることは必須です。
自宅でできる応急処置とセルフケア

歯がグラグラしているときに自宅でできる応急処置とセルフケアについて解説します。
すぐに歯医者を受診できない場合は、参考にしてください。
自分でできる応急処置
歯がグラついている場合の応急処置では、まず硬い食べ物を避けることが重要です。
グラついた歯に無理な力をかけると、症状が悪化する可能性があります。
またグラつく歯が気になっても、舌や指で触らないようにしましょう。
お口を清潔に保つため、優しく歯磨きを行い、マウスウォッシュで口をすすぐのも効果的です。
ただしこれらの処置は一時的なものであり、根本的な治療のためには歯科医院を受診する必要があります。
予防的なセルフケア
日常的なお口のケアでは、正しいブラッシング技術とデンタルフロスの使用が基本です。
歯ブラシは毛先が広がらない程度の適度な力で、歯と歯茎の境目を重点的に磨きます。
歯間ブラシは歯と歯の隙間のサイズに合ったものを選び、無理に押し込まないようにします。
電動歯ブラシを使用する場合も、適切な圧力で使用することが重要です。
定期的に歯医者でブラッシング指導を受けることで、より効果的な清掃方法を身につけることができます。
生活習慣の見直し
喫煙の習慣は、歯周病を進行させる要因の一つです。
ニコチンにより血管が収縮し、歯茎への血流が悪くなるため、炎症が治りにくくなります。
禁煙によって歯周病の改善効果に期待できます。
また、ストレスや睡眠不足は免疫力を低下させ、感染に対する抵抗力を弱めてしまうのです。
歯のグラつきが気になる方は、以下の規則正しい生活習慣を心がけましょう。
- 適度な運動
- 十分な睡眠
- ストレス解消
栄養面からのサポート
お口の健康は、栄養面でのサポートも大切です。
歯や骨の健康を保つためには、カルシウム・ビタミンD・ビタミンC・コラーゲンなどの栄養素を摂りましょう。
カルシウムは乳製品や小魚、ビタミンDは魚類や卵黄に多く含まれています。
ビタミンCは柑橘類や緑黄色野菜から摂取可能です。
またコラーゲンは、肉類や魚から摂取可能です。
バランスの良い食事を心がけ、必要に応じたサプリメントの活用で、歯周組織の健康は保てます。
歯がグラグラして痛い場合の対処法

歯のグラつきに痛みを伴う場合は、急性炎症が起きている可能性があります。
歯周病の急性化や根尖性歯周炎により、組織に強い炎症が生じて痛みが現れます。
一時的な対処として、患部の冷却や市販の鎮痛剤の使用が有効ですが、現時点の症状の緩和に過ぎません。
痛みがある場合は炎症が活発になっているサインのため、早期の歯科受診が必要です。
また発熱や倦怠感を伴う場合は、全身への感染拡大も考えられます。
いつもと違う症状が現れた場合は、平日・休日を問わず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
まとめ:歯のグラつきは早い段階で治療をはじめましょう

歯のグラつきには様々な原因があり、それぞれ対処法が異なります。
最も重要なのは、症状の原因を正確に見極めることです。
軽度の症状であれば自宅でのセルフケアも有効ですが、専門的な治療が必要な場合も多いため、歯科医師による適切な診断と治療を受けることが大切です。
また、症状が現れてから対応するのではなく、定期的な歯科検診により早期発見・早期治療を心がけると歯の健康を保てるようになります。
日常的なお口のケアと専門的な治療のバランスを取りながら、健康を維持していきましょう。
ムクノキ歯科では、公式LINEやメールでのお問い合わせを24時間受け付けております。

