
「チョコレートを食べた時に、歯がキーンとしみる」という経験をしたことはありませんか?
甘いものがしみるのは虫歯だけでなく、知覚過敏や歯の亀裂など、歯を守る機能が低下しているサインでもあります。
放置すると最悪のケースでは、神経を抜く処置が必要になる場合もあるため、適切な対処が欠かせません。
この記事では、歯に甘いものがしみる原因や歯医者を受診するまでに行うべき応急処置、注意点についてムクノキ歯科の歯科衛生士である東山が解説します。
甘いものが歯にしみる3つの原因

甘いものが歯にしみるのは、歯のバリア機能が低下し、糖分の刺激が直接神経に伝わっている可能性が高いです。
本来、歯の神経はエナメル質と呼ばれる硬い組織によって守られています。
しかし、エナメル質の内側にある象牙質(ぞうげしつ)が露出すると、甘いものを口に入れた時にしみるような痛みを感じるのです。
歯のバリア機能が低下してしまう主な原因について、3つ紹介します。
①虫歯
甘いものがしみる原因の一つとして、「虫歯」が挙げられます。
歯は表面にある「エナメル質」により、外部からのあらゆる刺激から守られています。
しかし虫歯になると、エナメル質が溶かされ、内側にある象牙質が露出します。
象牙質が露出すると、甘いものをはじめとする刺激が神経に伝わりやすくなるため、歯がしみる原因になるのです。
虫歯による症状は、進行度や個人差によって異なります。
②知覚過敏
知覚過敏でも、甘いものが歯にしみることがあります。
知覚過敏は、甘いものや冷たい飲食物、歯ブラシが歯に触れた時などにズキッと一瞬痛むのが特徴です。
知覚過敏になる原因は、以下のようにいくつか挙げられます。
- 歯ぎしり、食いしばり
- 歯のすり減り
- 歯が割れている、欠けている
- 歯茎が下がっている
歯ぎしりや食いしばりの癖があることや、噛む力が強すぎるとエナメル質が徐々に削られるため、歯に甘いものの刺激が伝わりやすくなります。
歯に亀裂が入っていたり、欠けていたりすることで、歯の内部に刺激が伝わりやすくなるのです。
また、加齢や歯周病などで歯茎が下がると歯の根元が露出し、甘いものがしみやすくなります。
歯茎に覆われていた歯の根元にはエナメル質は存在せず、象牙質が剥き出しの状態になるためです。
ここに甘いものが直接触れると神経が鋭く刺激されるおそれがあります。
知覚過敏の詳しい治療方法については、以下の記事を参考にしてください。
☞【歯科衛生士監修】知覚過敏が治らない原因と段階的な治療方法を解説
③詰め物や被せ物に隙間がある
過去に治療した詰め物や被せ物に隙間が生じていると、甘いものが歯の内部に入り込み神経を刺激するため、しみると感じるケースがあります。
隙間が生じる理由は、詰め物や被せ物自体の素材や、接着材の劣化などが挙げられるでしょう。
治療後にできた小さな隙間は、汚れが溜まりやすく、虫歯の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。
細菌は、詰め物や被せ物の下の天然の歯を溶かし、虫歯を進行させます。
結果として、詰め物や被せ物との間にさらに大きな隙間を作りやすくなる悪循環につながるおそれがあるのです。
銀歯がしみることに関しては、下記の記事も参考にしてください。
☞銀歯がしみたら再治療の合図?原因や対処法を歯科衛生士が解説

歯に甘いものがしみるときに行うべきことと注意点

歯に甘いものがしみる時は、放置せずにできるだけ早く歯医者を受診し、患部に刺激を与えないようにすることを最優先しましょう。
甘いものがしみるということは、虫歯の進行や知覚過敏などが考えられます。
自己判断で放置すると最悪の場合、神経を抜かなければならないなど重症化のリスクがあります。正しいセルフケアと専門家の治療の組み合わせが欠かせません。
ここからは、症状が出た際に行うべきことと、注意点を解説します。
歯医者を受診する
歯に甘いものがしみる場合は、早めに歯医者を受診しましょう。
「甘いものがしみる」という症状だけでは、ご自身で原因を特定することが困難といえます。
特に、虫歯は自然に治ることはありません。放置するほど症状は進行し、治療期間や費用がかさんでしまいます。
歯医者では、レントゲン撮影などを行い表面には現れていない、詰め物や被せ物の下の虫歯や、歯の小さな亀裂などを発見できる可能性が高いです。
原因がわかれば、治療を始められ、痛みを抑える処置を行えます。
刺激を避ける
歯医者を受診するまでの間は、歯への刺激を極力避けて過ごしましょう。
虫歯や知覚過敏などが原因で、エナメル質が薄くなっていたり、神経への刺激が伝わりやすくなったりしていると、歯に痛みを感じやすいです。
日常生活では、特に以下の刺激を避けるようにしましょう。
- 冷たすぎる飲み物や、熱すぎるスープ
- 弾力のある食べ物や、硬い食べ物
- 甘い食べ物や、酸味の強い飲食物
- 過度な力でのブラッシング
しみるのを放置して、刺激を与え続けると神経の炎症が悪化するおそれがあります。
歯医者を受診するまでの間は、しみる部分を安静に保つよう心がけてください。
知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
「甘いものがしみる」という症状を緩和するために、知覚過敏用の歯磨き粉を使用するのも一つの手です。
知覚過敏用の歯磨き粉に含まれる「硝酸(しょうさん)カリウム」という成分が、外部から伝わる神経への刺激を抑え、痛みを感じにくくする効果が期待できます。
さらに、高濃度フッ素配合の知覚過敏用の歯磨き粉は、薄くなったエナメル質の再石灰化を促し歯をより強く保護できるでしょう。
知覚過敏用の歯磨き粉は、使用してすぐに効果が出るものではありません。
個人差はありますが、2週間〜1ヶ月程度の使用で、徐々に痛みが緩和されるケースが多いです。
ただし、歯磨き粉の使用はあくまで応急処置であり、虫歯を治したり、根本的な解決になったりするわけではありません。
歯に甘いものがしみるときによくある質問

歯に甘いものがしみるときによくある質問について回答します。
Q1.歯がしみるだけで歯医者に行ってもいいですか?
「しみる」症状だけで受診しても全く問題ありません。
むしろ強い痛みが出る前に受診するのが理想的です。
甘いものがしみるのは、初期の虫歯や歯のひび割れなどのトラブルが起きている可能性があります。
早い段階で治療を始められれば大掛かりな処置が不要となり、精神的にも経済的にも負担が軽く済みやすくなります。
神経が残せる可能性が高くなり、大切な歯を守ることにもつながるでしょう。
少しでも違和感があれば、早めに検査を受けることをお勧めします。
Q2.しみがなくなったけど、歯医者に行かなくても大丈夫?
しみがなくなったとしても放置せず、歯医者を受診しましょう。
しみや痛みが消えたのは「一時的に症状が落ち着いている」「虫歯が重症化して神経が死んでしまった」などが考えられます。
歯の神経が死んでしまった場合、痛みを感じなくなったとしても、細菌は神経の先で増殖し続け腫れや痛みが再び強くなる可能性があるでしょう。
自己判断で放置すると、気づいた時には手遅れとなり、「抜歯」しか選択肢がない場合もあります。
痛みの有無に関わらず、一度でも「甘いものがしみる」「違和感がある」と感じた時は、歯医者で相談するようにしましょう。
Q3.歯磨きをちゃんとしているのに、甘いものがしみることはあるの?
はい、あります。歯の磨き過ぎが原因でしみるケースも少なくありません。
歯磨きをいくら丁寧にしていても磨く時の力が強すぎると、歯ブラシの圧でエナメル質が削れて象牙質が露出します。
刺激が伝わりやすくなり、甘いものがしみるケースがあるのです。
また、過度な力のブラッシングは歯茎が下がる原因にもなり、知覚過敏を引き起こすと言われています。
「正しい方法で磨けているか」を歯医者でプロにチェックしてもらうことも、しみるリスクを抑えるために重要です。
歯磨きの方法については、下記の記事で詳しく解説しています。
☞歯磨きは一日何回が理想?健康な歯を守る頻度を歯科衛生士が解説
まとめ:歯に甘いものがしみるときは迷わず歯医者へ相談

歯に甘いものがしみるのは、虫歯や知覚過敏などが原因で、歯の神経が刺激を受けている可能性があります。
虫歯は自然に治ることはないため、早めに歯医者を受診しましょう。
受診までの間は、極端な温度変化のある飲食物や甘いものを避け、知覚過敏用の歯磨き粉を使用してみてください。
一時的に痛みが引いたとしても、歯の内部では症状が進行しているおそれがあるため、自己判断で放置するのはやめましょう。
早期に治療を受けることが、神経を抜くような重症化を防ぎ、将来的に自分の歯を残すことにつながります。
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