【歯科医師監修】痛くない親知らずは放置しても大丈夫？親知らずのリスクや正しい対処法とは

「親知らずが生えてきたけど、痛みがなければ放置してても大丈夫？」
「親知らずって必ず抜いた方がいいの？」
「親知らずって私もあるの？」

このようなことで、親知らずについてお悩みではないですか？

この記事では、親知らずが与える影響や抜歯について、歯科医師監修のもと歯科衛生士の高橋が解説します。

最後まで読むと、親知らずの理解を深め、どのように経過を見れば良いかがわかるようになりますよ。

親知らずの抜歯のタイミングや注意点については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

☞【院長監修】親知らずは抜いた方が良いの？抜歯のタイミングと抜歯後の注意点と食事

痛くない親知らずは放置してもいいの？

親知らずが生えているからと言って、必ずしも抜歯をしないといけない訳ではありません。

しかし、痛くないからといって何もせずに放置すると、良くない結果をもたらす可能性が高いです。
親知らずは、現時点で痛みがなくても、季節の変わり目や体調の変化で急変する場合があります。
痛くない親知らずを放置するリスクについて、次の章で詳しく解説します。

痛くない親知らずを放置するリスク

痛くない親知らずを放置することで生じるリスクは以下の4つです。

ここでは、それぞれについて解説します。

周囲の健康な歯に影響を与える

親知らずの生え方によって、親知らずに隣接する歯に影響を与えてしまうケースがあります。

親知らずの生え方は、大きく分けて以下の３種類です。

上記のなかで、半埋伏の生え方が最も周辺に影響を与えやすい状態です。

例えば、汚れが溜まって歯茎に炎症が起ったり、虫歯になったりと治療が必要なケースに繋がりやすい傾向があります。

違和感や臭いがある

親知らずが生えていると、違和感や臭いを感じる場合があります。

親知らずは、口の中の一番奥に生えているため歯ブラシが届きにくく、歯磨きがしにくい箇所の1つです。
磨き残しがあると、歯垢が溜まりやすく臭いに繋がる原因となります。

ある日突然痛みが出る

親知らずは普段痛みがなくても、ある日突然痛み出す可能性があります。
体調不良や寝不足が続いたり、気圧が低かったりなどの影響を受けて痛み出します。

痛みの症状は、歯茎だけでなく顔まで腫れたり、首や喉元が痛くなったり、発熱したりと口の中以外に現れるケースも少なくありません。

年齢とともに抜歯のリスクが高まる

痛みのない親知らずを放置し続け、将来抜歯が必要になった際、年齢が高くなるにつれ抜歯のリスクも高まります。
年齢とともに骨が硬くなることや、抜歯後の傷口の回復に時間がかかるからです。

また、高齢になり全身疾患を患うと、病状や薬の関係で抜歯自体が難しくなる可能性があります。

例えば、血栓を予防するために血液をサラサラにする薬を服用している場合は、歯科医師との相談が必要です。

親知らずの抜歯に最適なタイミング

親知らずの抜歯を検討するうえで、タイミングは大変重要です。
以下の時期など自分に合ったベストなタイミングで抜歯できるのが理想的でしょう。

痛みや腫れなどの症状が現れる前

親知らずが生えていると分かった時点で、歯科医院で見てもらい必要となれば、抜歯を検討するのがよいでしょう。

急に痛みなどの症状が強まった場合は、麻酔が効きにくくなるので、その場での抜歯が難しい場合があります。

痛みがなく十分に麻酔が効く状態で、抜歯するのがタイミングとして1番よいでしょう。

長期休暇の前

抜歯後腫れる期間には個人差がありますが、一般的に2～3日後にピークを迎え、1週間から10日ほどで落ち着きます。
ま
とまった休みがとれるGWやお盆、年末年始などの前に抜歯をすると、療養期間の確保が可能です。

しかし、旅行や食事会などの予定を入れている場合は、避けた方が無難です。

仕事の閑散期

社会人で抜歯を検討している場合は、仕事の閑散期がおすすめです。
抜歯後の腫れが続くかどうかは、個人差があります。

想定より腫れたり、話しにくかったりなどで仕事を休まなければならない可能性もあります。
繫忙期よりも、負担が小さい時期がおすすめです。

若年齢

年齢が若いうちに抜歯をすると、抜歯後の回復も早い傾向にあります。

また、大学生であれば長期的な休みもあり、抜歯を行う日にちの選択肢も多いでしょう。

社会人になると、まとまった休みを取れるかどうかは業種や企業によって異なります。
若年齢の方々は、抜歯の検討に適している時期です。

妊娠を考えている女性

親知らずが生えていて、今後妊娠を考えている女性は、妊娠前の抜歯がおすすめです。

痛みがなければ普段意識しない親知らずですが、妊娠中に痛みが出ると投薬や治療に制限がかかってしまいます。

妊娠中は、つわりの影響で歯磨きがしにくかったり、妊娠性歯周炎が起ったりと痛みが現れる可能性も高まります。
また、出産後には授乳を行うため薬の服用も配慮し続ける必要があるでしょう。

やむを得ない場合に抜歯を行うケースもありますが、原則的に避けるべきとされています。

妊娠前に抜歯を済ませておけば、痛みが出るリスクからの回避が可能です。

電話で予約・相談をする

痛くない親知らずはメリットになるケースもある

親知らずと聞くと悪いイメージが思い浮かびますが、メリットになるケースもあります。
真っ直ぐに親知らずが生えていると、将来的に他の歯を喪失した際、入れ歯やブリッジを入れる支えになります。

また、少ないケースですが、親知らずを移植したり、歯列矯正で活かしたりなどの治療法もあります。

歯科医院で行う経過観察の方法

痛くない親知らずが生えていて抜歯を希望しない場合は、経過観察となります。

歯科医院で行われる経過観察は、以下の3つです。

歯科医師と親知らずの生え方や周辺の状態を確認し、経過観察を行いましょう。

検診で親知らずの状態を確認

まずは検診でレントゲンを撮影し、親知らずの生え方や周りの歯に影響が出ていないかを確認します。
患者様の希望を踏まえ、親知らずを抜歯するか残しておくか治療方針を決めていきます。

定期的なクリーニングで口腔内の環境を整える

親知らず周辺は歯ブラシが届きにくく汚れが溜まりやすいので、歯科医院にて定期的なクリーニングを行うことが重要です。
クリーニングの頻度は個人差がありますが、3～4ヶ月に一度行いましょう。

クリーニングについて、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

☞歯のセルフケアとプロフェッショナルケアの違いは？予防歯科の重要性を解説

軽度の症状なら投薬で様子を見る

放置していた親知らずに痛みが出たとしても、炎症の具合と患者様のご希望によっては、投薬で済ませるケースもあります。

ただし、前述した通り抜歯の必要のある親知らずは早期に抜歯した方が良いです。

抜歯に対する不安は事前に解消

親知らずを抜くことに対して恐怖心があり、不安を抱く人も少なくありません。

抜歯に対する不安は、歯科医師と相談しながら解消しましょう。

不安を抱く人の多くが、以下の3点を気にしています。

1つずつ解説するので、ぜひ参考にしてください。

抜歯中の痛みについて

親知らずの抜歯の際は、十分に麻酔を効かせてから開始するため痛みを感じるケースは少ないです。

痛みを感じた場合は、麻酔を追加します。
しかし、親知らずは口の奥にあるので口角を引っ張ったり、歯を抜く最中の音が耳に響いたりすることがあるでしょう。

抜歯後の痛みや腫れには個人差がある

抜歯後の症状には個人差がありますが、痛みのピークは3日、腫れは4日ほど続きます。
抜歯した部位でも差があり、上顎の親知らずは、比較的痛みや腫れが少ない傾向にあります。

大きく腫れるケースとしては、親知らずの生え方が横向きや斜めで歯茎の切開を伴う場合や、下顎の骨と癒着しているなどがあります。
抜歯に時間がかかり、治療部位が刺激を受けると影響が出やすいでしょう。

痛みが出た際は、処方された痛み止めの量を必ず守って服用してください。

抜歯後の過ごし方

親知らずの抜歯後の過ごし方として、当日から3日ほどは安静に過ごしましょう。
激しい運動や長めの入浴、過度な飲酒は、出血の原因となります。

また、傷口に歯ブラシを当てたり激しいうがいをしたりすると、治りが悪くなる可能性が高まります。

抜歯後の食事は、お粥やうどん、ゼリーなどできるだけ柔らかく薄味の食べ物を摂り、抜歯した反対側で噛むようにしましょう。
痛みが落ち着いてきたら固形物を食べ始めてもよいですが、辛いものや香辛料の入った食品は、刺激になるので避けてください。

まとめ：痛くない親知らずでも歯科医院で経過観察を続けましょう

この記事では、痛くない親知らずを放置するリスクや経過観察の方法、抜歯について解説しました。
親知らずが生えていると聞くと抜歯を連想する人もいますが、抜歯になるケースは人によって異なります。

抜くことに抵抗がない場合は、リスク回避のために前向きに検討できますが、恐怖心が強い人も少なくありません。

ぜひ一度、痛くない親知らずを自己判断で放置するのではなく、歯科医院を受診し抜歯が必要なケースかどうか確認しましょう。

また、痛みが出ないように・早期発見のためにクリーニングを定期的に受けることが重要です。

専門的なクリーニングとしてPMCTがあります。

ムクノキ歯科のPMTCはとても人気がありますので是非1度検討してみてください。

☞PMTCについて歯科衛生士が徹底解説丨 PMTCの効果や施術の流れを解説

親知らずが痛くない場合でも歯科医師と相談し、最善の方法で自分の歯を守りましょう。

ムクノキ歯科では、公式LINEやメールでのお問い合わせを24時間受け付けております。

親知らずや歯でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。