「セルフケアが大切って言うけどどんなケアが正解なのかしら」
「痛みもなくしばらく歯科医院へ行っていないけど大丈夫かしら?」
など、漠然とセルフケアの重要性は理解していてもどのように行なったら良いかわからないと言う方も多いのではないでしょうか。
この記事では
・プロフェッショナルケアとは
・セルフケアとプロフェッショナルケアの違い
・予防の重要性
などを歯科衛生士の高橋が解説していきます。
歯のケアをする重要性とは?
歯のケアには
✓歯科医院で歯科衛生士が行うプロフフェッショナルケア
の2種類があります。
歯のケアをすることは虫歯や歯周病を予防するために欠かせないものとなります。
虫歯・歯周病どちらも進行してしまうと歯科医院でも直すことができなくなり最終的に歯を抜くことになる原因になります。
ご自身の歯を大切にするということは人生100年時代を生きる私たちにとって大切なミッションとなります。
ご自身の歯を大切にし歯の健康寿命を伸ばすことができれば
・認知症になるリスクを低くする可能性
・体のバランスを保ちやすくする可能性
など口内だけでなく全身にとって良いことがあります。
このように歯は、全身の健康と深いつながりがあります。
歯を抜く1番の原因は歯周病です。
歯周病は、なってから治療をするよりも、予防をして歯周病にならないようにすることが大切です。
セルフケアとは
セルフケアとは、ご自身で毎日していただく口腔ケアになります。
歯を大切にするには後述しますプロフフェッショナルケアよりもセルフケアをいかに丁寧にできるかという点が大切になってきます。
ここでは、何より大切なセルフケアの仕方について説明していきます。
セルフケアで大切なこととは
セルフケアで一番大切なことは磨き残しを残さないことになります。
磨き残し(歯垢・プラーク)があるとその後4日程度で歯石になります。
歯石になるとセルフケアでは落とすことができませんので全ての根元である歯垢(プラーク)をできるだけセルフケアで落としていく事が大切です。
正しい歯磨きの仕方
毎日行っている歯磨きですが、なんとなくで磨いていないでしょうか?
しっかりと歯磨きをしようとすると大体10分以上かかってしまいますが1度コツを覚えてしまえば効率的に細菌を落とすことができます。
ここでは、正しいセルフケアの仕方を歯科衛生士がお伝えしていきます。
①歯と歯の間の食べかす・歯垢をとる
ブラシを歯に対して90度に当て縦方向に動かしていきます。
その際に、1本の歯を3箇所に分けて磨き歯と歯の間に詰まった食べかすや歯垢を落としていきます。
最初は、時間がかかってめんどくさなと思うかもしれませんが習慣にしてしまいましょう。
一本一本丁寧に磨いていくことで虫歯・歯周病予防につながります。
②歯と歯茎の間を磨く
ブラシを歯に対して45度に当て横方向に動かしていきます。
歯と歯茎の間にも歯周病の原因となる歯垢(プラーク)がたくさんついています。
歯垢(プラーク)10gには、約10000億個の細菌が存在するとされていますのでどうしても時間をかけて落としていく必要があります。
③デンタルフロスを使う
歯ブラシで取りきれなかった食べかす・歯垢をデンタルフロスを使ってとっていきます。
歯と歯の間の奥まで入り込んでしまった食べかすは、なかなか歯磨きでは落とし切ることができません。
デンタルフロスも、慣れるまで時間がかかってしまいますが慣れてくると気持ち良いと思うようになるでしょう。
プロフェッショナルケアとは
プロフェッショナルケアとは、歯科医院で歯科衛生士が特殊な薬剤と機械を使用して汚れを落としていくケアになります。
セルフケアでは落とすことができない歯石や着色汚れなどを歯科衛生士が丁寧に磨き上げていきます。
ムクノキ歯科でできるプロフフェッショナルケアは2種類あります。
①歯石除去
どんなに上手にセルフケアを行なっていただいている方でも100%歯垢(プラーク)を落とし切ることはなかなか難しいです。
落としきれなかった歯垢(プラーク)は約4日程度かけて歯石になります。
歯石はセルフケアでは落とせないので歯科医院で落としていきます。
②PMTC
PMTC(ピーエムティーシー)とは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略です。
セルフケアでは落としきれないバイオフィルムや歯石・歯垢(プラーク)・着色汚れなど歯の表面についた全ての汚れを落としていきます。
その際に、着色剤を用いて磨き残し箇所を患者様自身に目視確認していただきます。
その上でブラッシング指導も行いますので、どこが磨き残しが多いのかがよく分かり、どのように磨いたら良いのか等も歯科衛生士から指導してもらえます。
PMTCでセルフケアで落としきれなかった汚れを落とし、歯科衛生士からのセルフケアのアドバイスを受けさらにセルフケアが上手になり虫歯・歯周病になりにくい清潔な口腔内を作っていくという良いサイクルに入ることができます。
PMTCが終わると歯のツルツルした感覚が分かりますので、その状態を維持できるようにしようとモチベーションにも繋がるでしょう。
セルフケアとプロフェッショナルケアの違い
セルフケア | 歯石除去(プロフェッショナルケア) | PMTC(プロフェッショナルケア) | |
---|---|---|---|
バイオフィルム | × | × | ○ |
歯垢(プラーク) | ○ | ○ | ○ |
歯石 | × | ○ | ○ |
着色汚れ | × | × | ○ |
プロフェッショナルケアを受ける目安
歯の悩みの大体が早期発見・早期治療で治りやすいものになりますので清潔な口腔内を維持するために、定期的にプロフェッショナルケアをケアを受ける必要があります。
しかし、ご自身でプロフェッショナルケアを受けるタイミングを見極めるのは大変困難です。
そのため、定期検診・歯周病検査でこまめに口内環境をチェックすることをお勧めします。
定期検診
定期検診では、虫歯のチェック・歯石のチェックなどお口の中全体を見ていきます。
ペースは人によりますが、大体3ヶ月に一度、長くとも半年に一度は定期検診を受けましょう。
定期検診は、健康診断と同じく早期発見のために行います。
ご自身では、歯石がどれくらいついているか、虫歯になりかけの歯はあるかなどはなかなか発見しにくいので歯科医院の定期検診できちんと見てもらいましょう。
歯周病検査
歯周病は歯を抜く原因の第一位です。
40歳以上の日本人の約8割が歯肉炎・歯周病と言われています。
歯周病は、自覚症状なく進行していき、気がついた時には重症化しているということが多いです。
歯周病が重症化(歯槽膿漏)になってしまうと、もう歯を抜く以外の選択肢がなくなってしまいます。
そのため、歯周病検査で定期的に歯周病の有無を確認することが大切です。
歯肉炎や軽度の歯周病で発見できた場合は、歯周基本治療という治療で症状を抑えることができる場合がほとんどです。
歯のケアのよくある質問
歯磨きは一日何回したら良いですか?
1日何回というよりも、食事をした都度するのが理想です。
水以外の飲料や食事を摂ると必ず歯垢(プラーク)は発生します。
虫歯・歯周病ともに原因は歯垢(プラーク)なので歯垢(プラーク)を早く除去し、歯石にしないということが大切になります。
痛みなどなくても定期検診へ行ったほうが良いですか?
はい。
痛みが出ているということは何かしらの炎症が起きているということになります。
定期検診でこまめに状態をチェックして炎症を起こさないようにすることが大切です。
定期検診は何歳から受けたら良いですか?
歯が生えたら受診をお勧めします。
歯肉炎は早い子だと4才くらいからなり始めます。
虫歯は歯があれば何歳でもなり得ます。
まとめ:健康意識を高め、ご自身の歯を大切にしましょう
ご自身の歯を大切にし、歯の健康寿命を伸ばしていくためには正しいセルフケア・歯科医院でのプロフェショナルケアの両方が欠かせません。
虫歯や歯周病が進行してから治療をするとなると時間も費用も余計にかかり最悪の場合ご自身の歯を失うことになりかねません。
最近では、若い世代の方たちも歯の健康意識が高まってきています。
綺麗な歯を維持していることが自己管理のできる人間であるという認識も定着してきています。
早期発見・早期治療でご自身の大切な歯を守っていきましょう。