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歯が原因の副鼻腔炎(歯性上顎洞炎)とは?症状や原因と歯科治療法を徹底解説

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歯が原因の副鼻腔炎(歯性上顎洞炎)とは?症状や原因と歯科治療法を徹底解説|ムクノキ歯科

「歯の痛みと鼻づまりが同時に起きているけど関係があるの?」
「虫歯の治療をしたのに副鼻腔炎になったのはなぜ?」
歯が原因の副鼻腔炎にかかり、上記のような疑問を持つ方は少なくありません。

副鼻腔炎は「蓄膿症」とも呼ばれ、鼻の奥にある空洞(副鼻腔)に炎症が起きる病気です。

なかでも上顎の歯に隣接する「上顎洞(じょうがくどう)」に炎症が広がった場合、「歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)」と呼ばれます。

この記事では、歯と副鼻腔炎の関係と原因、歯科での治療法、日常生活での注意点をムクノキ歯科の衛生士である東山が解説します。
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副鼻腔炎・上顎洞炎・歯性上顎洞炎の違い

副鼻腔炎の説明を受ける患者|ムクノキ歯科

副鼻腔炎と上顎洞炎、歯性上顎洞炎は似ていますが症状や原因が異なります。

3つの違いは以下の表のとおりです。

用語意味主な原因特徴・症状
副鼻腔炎
(ふくびくうえん)
鼻の周囲にある4つの空洞(副鼻腔)に炎症が起きた状態
いわゆる「蓄膿症」
風邪
アレルギー
細菌感染など
鼻づまり
膿のような鼻水
頭痛
倦怠感など
上顎洞炎
(じょうがくどうえん)
副鼻腔のひとつ「上顎洞」に限定した炎症
副鼻腔炎の一部
副鼻腔炎に準ずる片側の頬や奥歯の痛み
頬の腫れ
歯性上顎洞炎
(しせいじょうがくどうえん)
虫歯・歯周病・抜歯後の感染など、歯が原因で上顎洞に炎症が広がった状態虫歯
根尖病変
歯周病
歯科治療後の感染
歯痛と鼻の症状が同時に出る
片側に出る
再発しやすい

特に歯性上顎洞炎は、歯科と耳鼻科の両方に関わる病気です。

虫歯が原因の場合は、耳鼻科で薬だけもらっても治らないケースが多く、歯科での治療が欠かせません。

歯が原因でなる副鼻腔炎

歯性上顎洞炎|ムクノキ歯科

歯が原因でなる副鼻腔炎が、「歯性上顎洞炎」です

上顎の歯の根と上顎洞は非常に近いため、歯に炎症が起こると副鼻腔炎につながることがあります。

ここでは歯性上顎洞炎の主な原因を見ていきましょう。

①虫歯や根尖病変

進行した虫歯や根管感染が歯の根を通じて上顎洞に広がるケースです。

歯の神経まで虫歯が達すると、歯根の先端に膿がたまる「根尖病変(こんせんびょうへん)」が生じます。

特に上顎の奥歯は歯の根が上顎洞に接していることが多く、感染しやすいのが特徴です。

②歯周病

歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が細菌で壊されます。

上顎の奥歯で起こると上顎洞の壁にまで及ぶことがあるのです。

また歯周ポケットにたまった細菌や膿が上顎洞に侵入し炎症を引き起こすケースがあります。

③歯科治療後の合併症

インプラントや抜歯の際に、細菌が上顎洞へ入って炎症を起こす場合があります。

特に上顎の奥歯の抜歯では、歯根が上顎洞に近いため、抜歯した穴と上顎洞がつながってしまうケースがあるのです。

これを「口腔上顎洞瘻(こうくうじょうがくどうろう)」といいます。

また、インプラント治療で行う上顎洞底挙上術(サイナスリフトなど)では、一時的に上顎洞の環境が変化します。

処置が不十分だと、そこから細菌が侵入して術後感染を起こし、歯性上顎洞炎につながる可能性があります。

④生まれつきの要因や外傷

歯の根がもともと上顎洞に近い方は、歯性上顎洞炎にやすい傾向にあります。

生まれつき上顎洞が大きい方や、歯の根が長い方では、歯根の先端が上顎洞に近いことがあります。

上記の特徴があると、軽い歯の感染でも副鼻腔炎につながりやすくなるでしょう。

また、顔面への外傷で歯の根や上顎洞の壁に損傷を受けると、感染経路ができて炎症を起こす恐れもあります。

⑤強い鼻かみ習慣

鼻を強くかむと、鼻腔内の細菌が圧力で副鼻腔に押し込まれ、炎症を悪化させることがあります。

虫歯や歯周病がある状態で繰り返すと、口腔内の細菌が逆流し感染を拡大させるリスクも高まってしまうのです。公式LINEバナー|ムクノキ歯科

歯性副鼻腔炎でよくある5つの症状

副鼻腔炎の症状|ムクノキ歯科

歯性副鼻腔炎では、歯の症状と鼻の症状が同時に出ることが大きな特徴です。

症状を正しく理解しておくと、早期発見や適切な治療につながります。

ここでは、歯性副鼻腔炎の主な症状を見ていきましょう。

①片側だけの頬や歯の痛み

歯性副鼻腔炎が起きている側だけに痛みが出ます。

頬骨の下あたりに鈍い痛みを感じたり、時には強い痛みに変わったりします。

頭を下げる・階段を下りるなどの体勢の変化で悪化するのも特徴です。

膿がたまると頬全体が腫れぼったく感じられることあるでしょう。

風邪による副鼻腔炎では両側に症状が出るケースが多いため、片側だけである点が見分けるポイントになります。

②複数の歯が同時に痛む

虫歯であれば1本の歯に限定した痛みが出ますが、歯性副鼻腔炎では上顎の複数の歯が一度に痛む可能性があります。

上顎洞の炎症で内圧が高まり、広い範囲で歯の根に圧迫がかかるためです。

小臼歯から大臼歯にかけて痛みを感じるケースも多く、患者様が「どの歯が痛いのか分からない」と訴えることも少なくありません。

また鎮痛薬を飲んでも効きにくい場合があります。

③歯が浮いたような感覚

上顎洞の内圧が高まると、歯が浮いたような不快感が現れます。

また朝起きたときや長時間同じ姿勢を続けたあとに、噛み合わせに違和感を感じる方もいるでしょう。

④鼻づまり、膿のような鼻水

片側の鼻づまりと、黄色〜緑色の粘り気のある鼻水が出るのも特徴です。

夜間や就寝時に悪化しやすく、睡眠の質に影響を与えることもあるでしょう。

鼻水が喉に流れる「後鼻漏(こうびろう)」により、慢性的な咳や喉の不快感が続くことも少なくありません。

嗅覚の低下を伴う場合も多く、味覚にも影響します。

⑤頭痛や口臭

上顎洞の炎症は周囲の神経を刺激し、頭痛を引き起こします。

前頭部や側頭部に重い痛みを感じやすく、市販の鎮痛薬が効きにくいこともあります。

また膿や細菌の影響で強い口臭が生じ、通常の口腔ケアでは改善しにくいのも特徴です。

これらの症状は生活の質を大きく下げるでしょう。

歯科で行う歯性上顎洞炎の治療法

歯性上顎洞炎の治療|ムクノキ歯科

歯性副鼻腔炎の改善には、原因となっている歯のトラブルを解決することが最も大切です。

歯科で行われる治療によって、根本的な改善に期待できます。

ここからは主な治療法を解説します。

根管治療(感染源の除去)

虫歯や根尖病変が原因の場合は、根管治療(こんかんちりょう)を行います。

感染した神経や細菌を完全に取り除き、根管内部の清掃と消毒を繰り返します。

根管内が清潔になった後に薬剤で封鎖し、クラウンなどで歯の機能を修復させて終わりです。

根管治療の成功率は高く、適切に行えば歯を残しながら副鼻腔炎の改善に期待が可能です。

治療期間中は抗菌薬を併用して炎症の広がりを防ぐケースもあるでしょう。

根幹治療の詳しい治療内容については、以下で詳しく解説しています。
☞【院長監修】根っこの治療は何をやっている?根管治療の必要性と内容は?

抜歯

歯が大きく損傷していたり、根管治療を繰り返しても改善したりしない場合は、抜歯が検討されます。

抜歯が検討される状態として、歯根の縦割れ、重度の虫歯で残せる歯質が少ない、難治性の根尖病変などです。

上顎の奥歯を抜く際は、歯根と上顎洞がつながってしまう口腔上顎洞瘻が起きやすいため、慎重な処置が必要です。

抜歯後は止血や抗菌薬で感染を防ぎ、欠損部にはインプラントやブリッジ、義歯といった補綴治療を行います。

歯周病治療との併用

歯周病が原因の場合は、まず歯石や細菌を除去する歯周基本治療(スケーリング・ルートプレーニング)から始めます。

重度の歯周病になると外科的処置を行うケースもあるでしょう。

正しいブラッシングや歯間ブラシの使い方を指導し、患者さん自身のセルフケアを改善していきます。

定期的なメンテナンスにより再発を防ぎ、歯周病の改善とともに副鼻腔炎のリスクも減らせます。

歯科と耳鼻科の連携(抗菌薬や内視鏡手術が必要な場合)

症状が重い場合は、歯科治療に加えて耳鼻科での処置も必要になります。

上顎洞に膿が多くたまっている場合は、内視鏡を使った副鼻腔手術で排膿することがあります。

慢性化した症例では、上顎洞の粘膜が厚くなり自然排膿が難しいため、外科的処置が有効です。

さらに、培養検査で細菌の種類を調べ、効果のある抗菌薬を選ぶことも行われます。

歯科と耳鼻科が連携して原因の歯と副鼻腔の両方を治療することで、治療効果の高まりに期待できるのです。

自宅での対処と再発予防

ホームケア|ムクノキ歯科

歯性副鼻腔炎は歯科での治療が基本ですが、日常生活でのケアや習慣も症状の軽減や再発防止に役立ちます。

ここでは、自宅でできる対処法と予防策を紹介します。

応急的にできること

症状が出たときは、まず安静を心がけましょう。

横になる場合は、炎症がある側を上にして寝ると膿が排出されやすくなります。

市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)を適切に使うと、痛みや炎症を一時的に和らげられます。

ただし薬はあくまで対症療法であり、根本的な解決には歯科での治療が必要です。

また、蒸しタオルで顔を温めると血流が改善し、痛みが軽くなることもあります。

水分を十分にとり、体の免疫力を保つことが大切です。

再発予防の習慣

再発防止には日常のお口のケアが欠かせません。

毎食後の歯磨きに加えて、歯間ブラシやデンタルフロスを取り入れましょう。

特に奥歯は磨き残しが多いため、丁寧な清掃が必要です。

3か月に1回程度は定期検診を受け、初期の虫歯や歯周病を早期に治療することも大切です。

また室内の湿度は50〜60%に保ち粘膜の乾燥を防ぎ、感染を予防しましょう。

喫煙は粘膜の動きを妨げて感染リスクを高めるため、禁煙すると副鼻腔の機能回復に期待できます。

さらに、ストレスを溜めすぎず、十分な睡眠と栄養バランスの良い食事で、体の抵抗力を維持できます。

歯科衛生士による専門的なクリーニング(PMTC)については、以下の記事を参考にしてください。
☞PMTCについて歯科衛生士が徹底解説丨 PMTCの効果や施術の流れを解説

放置しない

症状が軽くなったからといって放置すると、慢性化する恐れがあります。

慢性副鼻腔炎になると治療が難しくなり、完治まで長期間かかることもあります。

再発を繰り返すことで症状が悪化するケースも多く、まれに感染が眼の周囲(眼窩)や頭蓋内へ広がることがあります。

眼窩蜂窩織炎では視力への影響、髄膜炎や脳膿瘍では命に関わる恐れもあるため注意が必要です。

また、慢性副鼻腔炎は鼻茸(はなたけ:鼻のポリープ)や嗅覚障害を引き起こし、生活の質を大きく下げてしまいます。

歯が原因の副鼻腔炎かと思ったら早めに受診しましょう

治療を受ける患者|ムクノキ歯科

虫歯や歯周病を放置すると歯性上顎洞炎に発展するため、早めの受診が必要です。

特に原因となる歯の治療を行うことで、多くのケースで症状は改善します。

また再発を防ぐためには、毎日の口腔ケアと定期検診が欠かせません。

定期的なメンテナンスを続けて口の健康を守り、歯性上顎洞炎を予防しましょう。

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