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【院長監修】根っこの治療は何をやっている?根管治療の必要性と内容は?

スタッフブログ根幹治療

根管治療の必要性と内容は?|ムクノキ歯科

根っこの治療ってよく聞くけどどのようにしているのか?
何のためにやるのか?
歯医者によってやり方の違いはあるの?

などの疑問に思う方も多いと思います。

患者様の歯のお悩みの中でもお相談が多く、また難易性があるのが根っこの治療(根管治療)です。

今回は根っこの治療(根管治療)についてムクノキ歯科の院長の椋木アレンが詳しく説明していきたいと思います。

この記事を読んでいただいている方の中には、

・根っこの治療(根管治療)を現在受けているが痛みが治らない。
・根っこの治療(根管治療)を受けているがなかなか治らない。
・抜歯をするしかないと言われているが、歯を残す方法はないのか。
・根っこ(根管)が特殊な形で治療が難しいと言われた。

などとお悩みの方もいるかと思います。

根っこの治療(根管治療)は、治療を受ける患者さん側からしてみれば、治療中を見ることができないので実際に何をやっているのか分かりにくい治療の一つです。

しかし、根っこの治療(根管治療)は歯を残すうえでとても大切であり、とても繊細な治療です。
医院によっても治療法が違うことが多く、何よりも歯科医師の経験・知識センス・腕・機材など総合的なものによって結果が変わる治療法です。

ムクノキ歯科では、どのように根っこの治療(根管治療)をしているのでしょうか。


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根っこの治療(根管治療)とは?

根管治療とは?|ムクノキ歯科

むし歯がエナメル質の下の象牙質、さらに歯髄にまで達すると、細菌感染により歯の組織が破壊され、治療しなければ歯そのものを失ってしまいます。
この際、細菌に感染してしまった歯質や神経を徹底的に除去し、歯の根っこの病気を治療し、再発を予防するのが根っこの治療(根管治療)です。

しかし根っこ(根管)の中は直接見ることができず、形も人それぞれなので完全に細菌を取り除くことが非常に難しいのです。
細菌を取り残した状態でつめ物を入れるとあとで炎症を起こし、再治療が必要になり、最悪の場合は抜歯になってしまうこともあります。
そうならないよう、歯を残すための治療が根っこの治療(根管治療)です。

根っこ(根管)とはどこのこと?

根管|ムクノキ歯科

上記のように目で見える歯牙のエナメル質の内側の象牙質内部に歯髄があり、歯髄と連なる根っこの部分が根管です。
根幹と歯髄の中には動静脈と神経その他細胞が生きて入っています。
この繊細な箇所を治療していきます。

根っこの治療は大きく分けて3種類

根っこの治療の種類|ムクノキ歯科

一言に根っこの治療と言っても歯の状態によって、大きく3種類に分けることができます。
そもそも根っこの治療は虫歯や、まれに歯周病がが大きく進行してしまった場合に行われる処置です。

歯の根っこの治療は専門的に根管治療とよびます。
以下、根っこの治療を根管治療と呼んでいきます。
根管治療には一体どのような治療方法があるのでしょうか?

①抜髄

抜髄|ムクノキ歯科

根管治療のうち、1つ目が抜髄と呼ばれる治療です。

歯は外側からエナメル質、象牙質と呼ばれる硬い組織の内側に「歯髄」と呼ばれる神経や血管が緊密に入っている空間があります。
虫歯が大きく、この歯髄にまで到達している場合の治療が「抜髄」です。

抜髄は文字通り、「歯髄を抜く」治療で、患者さんへの説明ではよく神経を取る治療と呼ばれます。

歯医者を受診するきっかけの一つが「歯が痛い」といった内容ですが、

・ズキズキと何もしなくても痛みが出ている場合
・虫歯が大きかったり、刺激が強かったりするために歯髄にまで炎症が生じている場合

が多いです。

このように、虫歯の原因菌が感染してしまい、歯の歯髄・根管全体に炎症が生じてしまった場合の選択の一つです。
抜髄の特徴は「神経が炎症を起こしているものの神経そのものは生きている」という点です。
ムクノキ歯科での抜髄は後述します根管治療、歯髄保存療法共に手を尽くしても神経を残すことができなかった場合の最終手段として考えいています。

②歯髄保存療法

根管治療のうち、2つ目が歯髄保存療法と呼ばれる治療です。
歯髄は酸素や栄養の供給、刺激を知覚して脳に伝えるなど、「生きている歯」として歯の健康を維持する働きがあります。

しかし、悪化したむし歯などが原因で歯髄を除去してしまうと、歯がもろくなり、寿命も短くなってしまうのです。
歯の良好な状態を維持するには、「歯髄保存療法」により細菌から歯髄を守ることが重要です。

ムクノキ歯科ではMTAを用いた直接覆髄を採用しています。
MTA(Mineral Trioxide Aggregate)とは、歯髄を保護する働きを持つセメントの一種です。

歯に含まれるカルシウムを主成分としており、生体親和性が非常に高く、人体に優しい素材です。

このMTAを用いて、歯髄(歯の神経)がむき出しになった状態(露髄)に対して、直接覆い被せる治療法が直接覆髄です。
ムクノキ歯科では抜髄をせずに歯髄保存療法という歯の神経を可能な限り残す治療法も行なっています。

③感染根管治療

根管治療のうちのもう一つが感染根管治療です。
感染根管治療も文字通り虫歯の原因菌に感染してしまった根っこ(根管)の治療です。

抜髄よりも件数が多いのが感染根管治療です。
(引用:再根管治療を考える

神経が生きている歯髄では血管を通して、免疫細胞が働き、虫歯の原因菌を排除しようと働きます。
しかし、細菌感染に歯髄が負けてしまうことが多く、これによって歯髄が死んでしまいます。

死んでしまった歯髄では、感染を制御することが難しく、根管の中にまで感染してしまいます。
これによって、虫歯が根管内にまで広がっていき、最終的には根っこの先端(根尖)に膿の袋を作った状態になります。

このような状態に対する治療が感染根管治療です。
また、一度神経を取ってしまった治療でも、被せ物の隙間から細菌感染が生じ、根管の中にまで感染が広がり、同じような状態になります。

感染根管治療と抜髄の違いは「神経が死んでしまい、根管の中の歯の部分にまで感染が広がっているかどうか」という違いです。

なぜ根管治療が必要なのか?

根管治療が必要な理由|ムクノキ歯科

根管治療はなぜ必要なのでしょうか?
歯科治療の最終的な目標は「歯を残す・守ること」です。
根管治療の最終的な目標も歯を抜かないようにすることです。

これは、私たちが行った治療により患者様のお口の中がいかに長く健康的に保っていただけるかというムクノキ歯科の治療目的と同じです。
このために早期的な治療が必要になります。

歯を残す

歯の膿の袋|ムクノキ歯科

全ての治療と同様に、根管治療の最も基本となる理由です。
根尖に膿の袋を作る時に、歯の周りにある骨を溶かしながら膿の袋ができます。

この膿の袋が大きくなるにつれて、骨の吸収が大きくなり、歯を支える骨が少なくなってしまいます。
歯を支える骨がなくなってしまうと、自然に歯が抜けたり、治療を行っても骨が再生せずに機能を破棄できなくなったりします。

ここまで病気が進行してしまうと、歯を抜く以外の治療が困難になります。
根管治療はこのような状態にならないようにするための治療です。

病気を広げない

根っこの病気が進行すると、歯の周囲だけでなく周りの組織や血流を介して全身に広がることがあります。
特に、根尖の炎症や膿が歯を支える骨にまで及んでしまう状態を「骨髄炎」と呼びます。
骨髄炎が進行してしまうと、最悪の場合、抜歯以外の選択肢がなくなってしまします。

また、感染や炎症が組織の隙間を通って広がる場合もあります。
皮膚と顎の骨の間の隙間や、喉の近くの隙間に広がってしまうと、気道がふさがってしまい、窒息してしまうこともあります。

近年、歯科疾患と全身疾患の関係性が明らかになってきています。
特に虫歯の原因菌が心臓の弁に付着してしまい、心臓の中で感染広がる「感染性心内膜炎」などがその例です。

これらの全身疾患は特に高齢者では致命的な病気になることも多く非常に注意が必要です。

これらの病気を広げないように早期的で確実な治療が必要です。

痛みを取る

ほとんどの患者さんが「痛み」を訴えて来院されます。
痛みの原因は

・歯髄の神経の炎症
・歯を支える歯根膜に炎症が広がっていること
・膿瘍が歯槽骨を溶かすときの痛み

など原因は様々です。

根管治療はこれらの原因を取り除くことで痛みを和らげることができます。
最も負担が大きい痛みをしっかりと取り除くことも根管治療を行う理由と言えます。


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ムクノキ歯科の根管治療の内容

ムクノキ歯科の根管治療の内容|ムクノキ歯科

さて、いよいよムクノキ歯科では、根管治療中に実際どのようなことが行われているのかをお伝えしていきます。
いくつかのステップに分けられるので一つ一つ見ていきましょう。

1:CTで診断

CTで診断をする|ムクノキ歯科

まずは、CTで全体像を把握し炎症の範囲を特定します。

2:麻酔

電動麻酔|ムクノキ歯科

根管治療では、痛みを伴うため、麻酔が必要になります。
前述しました通り、繊細な治療になりますので患者様が少しでもが動いてしまいますと治療の成功率が下がってしまいます。

その為、しっかりと麻酔を行うことで、患者さんへの負担を少なくして万全の状態で治療を行うことができます。

ムクノキ歯科歯科では

・浸潤麻酔
・歯根膜麻酔

を併用し、最小の麻酔薬量でシャープな効きと回復を心がけております。

3:ラバーダム防湿

ラバーダム防湿|ムクノキ歯科

根管内に唾液が流入してしまうと、無菌状態を作ることが困難になります。

根管治療では「患部の細菌感染を防ぐこと」が重要です。
唾液が治療をしている歯に入るのを防いだり、治療中に使用する薬品がお口の中に漏れないようにするためにラバーダムと呼ばれるゴムのマスクを付けます。

日本ではまだあまり馴染みのないラバーダムですが海外ではむしろ重要項目として最初に挙げられていることもあります。
ラバーダム防湿法は、術後の良い成果のために欠かせない治療方法だと考えています。

これで、根管治療の準備が整いました。

4:歯髄に到達する穴(アクセスホール)を作る

まずは、歯髄や根管内に器具を挿入するための道を作る必要があります。
この道をアクセスホールと言います。
アクセスホールをしっかりと作ることで今後の器具の操作性が格段に向上します。

5:根管の入り口を見つける

歯髄腔の中から根管の入り口を見つけます。
この時、根管の入り口を分かりにくくしている部分をしっかりと除去し、術野を確保し、適切に治療が行える形態に整えます。

6:マイクロスコープを用い根管内の神経や感染部分を除去する

マイクロスコープを用いた根幹治療|ムクノキ歯科

根っこの入り口を見つけたらそこから専門の治療器具を挿入します。
ファイルリーマー超音波チップと呼ばれる針のような器具を根管内に挿入し、治療を行います。
これによって炎症を起こした根管内の神経や汚れてしまった古い材料をしっかりと除去し、症状の原因を取り除いていきます。

患部をマイクロスコープを使うことによって肉眼の2倍~24倍に拡大して診ることができます。
歯科用ルーペが約6~8倍ですから3倍の拡大率です。
そのため、より正確でより精密に、そして安全に治療を行うことができます。

7:根管の長さを測定し、太さを大きくする

根管の長さを測定|ムクノキ歯科

症状の原因が除去できたら根っこの長さを測定する必要があります。
目には見えない部分ですので現在では電気的な測定をすることが一般的です。

適切な長さを測定しないと、根管内の詰め物が飛び出ていたり、長さが不足していたりします。

これらは、治療後の疼痛の原因や数年後の感染の原因になるため、重要なステップです。
また、根管の長さがきっちりと測定出来たら、次は太さを太くしなければなりません。

8:根管内の洗浄

根管内の削りカスや細菌を化学的に洗浄するために特殊な洗浄液を用いて根管内をきれいにします。
根幹内の清掃の回数は神経の有無によって変わってきますが大体2回以上〜回数を重ねて丁寧に行っていくことが多いです。
(個人差があります。)

神経は根管の中に細かい枝を出している場合が多く、これを除去します。
根管内に汚染がある場合は汚れている部分を除去しないと、再発の原因になります。

このため、このステップが最も重要と考えています。

9:根管内にカルシウム製剤を置く

ムクノキ歯科では強いお薬は使わずにカルシウム製剤を歯髄内に置きます。

10:根管内の詰め物を入れる

根管治療がしっかり奏功し、症状の消失がみられたら根管内を特殊な充填剤で満たします。
これは根管治療の最終ステップです。

きっちりと緊密に根管内の詰め物をすることで再発を防止します。
レントゲンで材料がしっかりと詰まっていることが確認出来たら、根管治療は終了です。

被せ物

根管後の被せ物|ムクノキ歯科

根管治療が終了したら、しっかりと咬めるようにするために被せものをして、お口の機能を守ります。

ムクノキ歯科の根管治療の特長

ムクノキ歯科の根管治療の特長|ムクノキ歯科

上記のように根管治療には非常に細かいステップを確実に・正確にこなさなければなりません。
患者様からは見えないため、

何をしているのだろう?
ずいぶん時間がかかっているな。

などと思うかもしれませんがマイクロスコープを用いて時間をかけて丁寧に治療することによって予後が全く変わってきます。

根管治療を行なっても改善できない場合

根管治療が難しい原因|ムクノキ歯科

残念ながら、根管治療を行うと全ての方の症状が改善されるわけではありません。
根管治療を行なっても改善が見られない場合にはムクノキ歯科では「歯根端切除術」を行います。

根管治療を行なっても改善が難しい場合は以下3点です。

根管内の形が複雑

歯の根っこの形は千差万別です。
つまり、私たち一人一人の顔が違うように形態が異なることはもちろんのこと、同じ患者さんでも、歯によって形が異なります。

この形の複雑さが一段と治療を難しくします。
また、根管が枝を出していたり、途中で分かれていたり、先端で一体化していたりとユニークな形をとることもあります。

このため、感染源の除去が十分にできず再発してしまうこともあります。

根管が細い

炎症を繰り返している歯では体の防御機構が働き、感染が奥に進まないように根管の入り口が閉鎖される傾向にあります。
根管が細くなると見つけることが根管になるだけでなく、器具を挿入することも困難になります。

根っこの外側に病巣を作った場合

病気の原因となっている細菌が、根尖の外側に歯根嚢胞を形成しを増大することもあります。
この状態は根管治療のみでは治癒不可能なケースもあります。

根管治療のメリットとデメリット

根管治療のメリットとデメリット|ムクノキ歯科

根管治療は、早期治療を行うことにより歯の健康寿命を伸ばすことができる可能性があり魅力的な治療ですが、デリットも存在します。
根管治療のメリットとデメリットについて説明していきます。

メリット

自分の歯を残せる可能性が高まる

歯や神経を抜かずに済む場合があります。(個人差があります。)

痛みや違和感が軽減される

痛みや違和感の原因となっている箇所を直接治療するため不快感が軽減されます。(個人差があります。)

デメリット

費用がかかる

根管治療は基本的に自費治療になります。
そのため費用が高額になることが想定されます。

時間がかかる

患者様の状態によって治療期間は、全く変わってきます。
長期間にわたる治療になる可能性もあります。

全ての治療が完治するわけではない

前述しましたとおり、全てのケースで根管治療が適用になる場合ではありません。
また、適用になっても患者生のお口の状態や予後によっては再治療や別の治療が必要な場合もあります。

まとめ:根管治療は難易度の高い治療であり、早期治療が大切

根管治療まとめ|ムクノキ歯科

このように根管治療は多くのステップを丁寧に踏む必要があり、また難易度が高い治療です。
どの治療にも共通して言えることですが何よりも早期治療が大切になります。

ムクノキ歯科ではラバーダムを用いて感染をしないようにすることはもちろんのこと、歯科用CTとマイクロスコープを使用し、より精密かつ精度の高い治療の提供を徹底しております。

お悩みの方や不安な方、症状に苦しんでいらっしゃる方はぜひお気軽にご相談下さい。

公式ラインで相談予約する|ムクノキ歯科

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