「歯槽膿漏と言われたけどどんな状態なのかしら?」
「歯槽膿漏と歯周病ってなんとなく同じようだけど違いはあるの?」
など違いがよくわからない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はより多くの方に知っていただくためにムクノキ歯科の歯科衛生士チーフの東山が歯槽膿漏と歯周病の違いについて解説していきたいと思います。
この記事を最後まで読んでいただくと
・歯槽膿漏の状態
・予防方法
などが分かるようになります。
最後まで読んで、正しい知識を身につけ予防と早期発見・早期治療に役立ててもらえますと幸いです。
歯槽膿漏と歯周病の違いは?
歯槽膿漏と歯周病は基本的に同じ症状です。
基本的には同じ病気ですが違いは進行具合にあります。
歯周病は歯肉炎から始まり、軽度の歯周病→中度の歯周病→重度の歯周病(歯槽膿漏)へと進んでいきます。
重度の歯周病(歯槽膿漏)となると、歯を残すことが大変難しいです。
歯はグラつき、膿もでており口臭も大変きついです。
歯槽膿漏とはこの重度歯周病のことを指します。
歯周病の症状
歯周病にまでなるとご自身でも分かりやすい症状が出てきます。
早期発見・早期治療が基本なので上記チェック表に1つでも当てはまったら、早めに歯科医院で見てもらうことをお勧めします。
原因
前述しましたとおり、歯槽膿漏は歯周炎、軽度の歯周病、中度の歯周病を経て歯槽膿漏(重度の歯周病)になります。
では、歯周病の原因となる歯肉炎はどのように起こるのでしょうか?
歯周炎の原因
歯肉炎の原因は、主に歯垢(プラーク)です。
食後3時間程度でネバネバした歯垢(プラーク)が歯の表面にでき始めます。
歯垢(プラーク)に含まれる細菌が炎症を作り出します。
歯垢(プラーク)は歯磨きなどのセルフケアで落とすことができます。
セルフケアで落とせる汚れはここまでになります。
毎食後の歯磨きが大切と言われる理由がここにあります。
歯垢(プラーク)はそのままにしておくと数日で歯石となります。
歯石は、歯垢を付着したままにしたことによって石灰化し、固まってしまった状態です。
歯石になってしまうとご自身では除去することは難しいです。
歯肉炎では痛みや自覚症状はほとんどありません。
そのため、歯科医院に行く必要がないと思われる方も多いかもしれませんが、定期検診などで歯周炎の段階で見つけることができれば、時間的にも費用的にも最小で治療することが可能です。
その他にも、偏った食事内容や噛み合わせが原因で起こる場合もあります。
ムクノキ歯科では健康な歯には健康な食事も大切だと考えているため、栄養指導も行っています。
歯周病の段階による症状
軽度の歯周病
軽度歯周炎とは ポケットが4mm程度で、歯肉が炎症を起こしている状態です。
歯肉が炎症を起こしているので
・出血がある
・歯ブラシを当てると痛む
・歯が長くなったように感じる
などの自覚症状が出てきます。
歯科医院での治療で治ることがほとんどでしょう。
中度の歯周病
軽度歯周炎とは ポケットが5~7mm程度で、歯肉の炎症がかなり進んでいます。
軽度の歯周病の時点で歯ブラシを当てただけで痛み、出血するようになっているので、ブラッシングがおろそかになります。
そうなると、さらに歯周病が悪化し簡単に中度の歯周病へ進み悪循環に陥ってしまいます。
・膿が出たりする
・出血がひどくなる
・口臭がひどくなる
などの自覚症状が出てきます。
歯科医院で長期間かけて直していくことができるでしょう。
重度の歯周病(歯槽膿漏)
軽度歯周炎とは ポケットが8〜10mm程度で、歯肉全体が炎症を起こし腫れ上がっている状態です。。
歯肉が炎症を起こしているので
・口臭がよりひどくなる
などの自覚症状が出てきます。
重度の歯周病(歯槽膿漏)まで行ってしまうと進行を止めることが難しく、残念ながら歯を残すことも難しい場合がほとんどになります。
歯周病については以下で詳しく説明しています。
歯周病は完治する?
歯周病を完治するのはなかなか難しいですが進行を抑えることは可能です。
歯科医院での治療に加えて、一番大切なのがセルフケアです。
歯周病になってしまったらなるべく早く歯科医院で見てもらい、適切な治療を受けましょう。
また、ブラシング指導を受け毎日のセルフケアの質を高めることもお勧めします。
歯槽膿漏の予防法
歯槽膿漏は重度の歯周病です。
ですので、歯周病の原因の歯肉炎にならないようにすることが何よりも大切です。
・歯ブラシだけではなく歯間ブラシやフロスを使う
・歯科医院で定期検診・歯石除去を受ける
・PMTCを受ける
・栄養バランスを考えた食事を心がける
☞歯石除去は必ずしないとダメ?歯科医院でクリーニングする必要性を歯科衛生士が解説!
歯槽膿漏のよくある質問
歯槽膿漏に関する質問をQ&A形式でお答えします。
歯槽膿漏になったら歯医者へ行っても手遅れですか?
歯槽膿漏(重度の歯周病)まで進行してしまうと歯肉炎になる前のような健康な歯茎に戻すことは難しくなります。
歯を起こすことも難しい場合が多いでしょう。
しかし、だからと言って何もせずにそのままにしておくと歯周病菌が体全体に巡り、健康を害してしまう可能性があります。
気づいたら早めに、歯科医院へ行って進行を食い止めることが大切です。
歯槽膿漏の匂いは治療で治りますか?
適切な歯周病治療を受け、セルフケアをしっかりすればニオイを抑えることができます。
諦めずに、丁寧なセルフケアを行い続けましょう。
まとめ:歯槽膿漏になる前に予防をすることが大切
歯槽膿漏になってからでは、歯を残すことが難しく健康的な生活を送りにくくなってしまいます。
歯槽膿漏になる前の段階で歯科医院で見てもらうことによって早期発見・早期治療が可能になります。
毎日のきちんとしたセルフケアに加え、歯科医院での定期検診や定期的な歯石除去、PMTCなどが大切になってきます。
歯槽膿漏は放っておくことによ歯周病菌が身体中に回っておりさまざまな疾患を起こす可能性もあります。
歯肉炎・歯周病・歯槽膿漏は放っておいて治ることはないため早めに歯科医院での適切な治療を受けご自身の歯と身体の健康寿命を伸ばしていきましょう。