過酸化水素配合の歯磨き粉とは？ホワイトニング効果と使用時の注意点を解説

「過酸化水素が入った歯磨き粉は、歯を白くするって本当？」
「知覚過敏があって使ってみるのが怖い…」

このように、過酸化水素配合のホワイトニング用歯磨き粉に興味があるものの、使用時の不安がある方もいるのではないでしょうか？

近年、歯への関心の高まりとともに、ホワイトニング効果をうたう歯磨き粉の人気も高まっています。

しかし使い方を誤ると、本来の効果を発揮できないばかりか、歯や歯茎にダメージを与える可能性もあります。

この記事では、ムクノキ歯科の歯科衛生士である東山が、過酸化水素配合の歯磨き粉の特徴や使い方、注意点について解説します。
過酸化水素配合の歯磨きを使用する場合は、特徴を理解して正しく取り入れるようにしましょう。

過酸化水素配合ホワイトニング歯磨き粉の効果と正しい使い方

ホワイトニングの主成分として知られる過酸化水素ですが、歯磨き粉にも配合されている商品があります。
過酸化水素の効果と適切な使用方法を知ることで、自宅でのホワイトニングケアをより日常的に行えるでしょう。

過酸化水素が歯を白くするメカニズム

過酸化水素のもつ活性酵素の漂白作用によって、歯を白くすることが可能です。
オフィスホワイトニングでは、歯の表面のエナメル質と、内部の象牙質に作用します。

歯についた色素を活性酵素が小さく分解することで、色が見えなくなります。

また、光をうまく反射できるようになり、歯が白く輝いて見えるのです。
過酸化水素は濃度によって漂白効果が変わり、濃度が濃いほど歯を白くすることが可能です。

ただし、日本では高濃度の過酸化水素は、歯医者でしか使用を認められておりません。

過酸化水素配合ホワイトニング用歯磨き粉の使い方

過酸化水素配合のホワイトニング用歯磨き粉は、使用前の確認と正しいブラッシングを意識してください。
使用前の確認事項として、歯科医師の指示を受けて使用可能かどうか、口内に傷や炎症がないかを確認しましょう。

使用の際は、適量を守り、優しくブラッシングをしてください。

無カタラーゼ症の方は過酸化水素配合歯磨き粉を使用できない

無カタラーゼ症とは、過酸化水素を分解する酵素「カタラーゼ」が欠損または活性が低下している遺伝性疾患です。
歯のホワイトニングを行って、自分が無カタラーゼ症であることに気づく方もいらっしゃいます。

症状がある方は、過酸化水素を含む製品を使用すると口腔内に炎症や潰瘍が生じる可能性があります。
過酸化水素配合歯磨き粉の使用を避け、代わりとなる他のホワイトニング成分を含む歯磨き粉を選ぶのがお勧めです。

過酸化水素配合歯磨き粉の特徴と注意点

過酸化水素配合のホワイトニング効果を得るためには、製品の特徴や注意点を理解する必要があります。
ここでは、過酸化水素配合歯磨き粉の海外と日本の比較や副作用、使用上の注意について解説します。

海外製と日本製の歯磨き粉の違い

海外製と日本製の歯磨き粉には、配合成分や濃度に大きな違いがあります。
特にアメリカ製の歯磨き粉には、過酸化水素が3〜10%程度配合されている製品が一般的です。

一方で日本製の歯磨き粉には、薬機法の規制により過酸化水素は配合されていません。

歯磨き粉の効果に即効性はなく、長期的に使用することで徐々に歯の白さの維持を実感できます。

海外製の過酸化水素配合歯磨き粉の副作用

海外製の過酸化水素配合歯磨き粉を使用する際には、注意が必要です。
個人差がありますが、以下の副作用があると言われています。

歯磨き後に副作用が現れた場合は、すぐに使用を中止してください。

海外製の過酸化水素配合歯磨き粉を使う際の注意点

海外製の過酸化水素配合歯磨き粉を使用する際は、以下の点に注意しましょう。

日本製の歯磨き粉に過酸化水素が配合されていない理由と代わりの成分

ここからは日本製の歯磨き粉に過酸化水素が含まれていない理由と、その代わりに配合されている成分について解説します。
海外製の歯磨き粉を購入を検討している方は、なぜ日本で認められていないかを知っておくとよいでしょう。

日本の法律により過酸化水素の配合は認められていない

日本製のホワイトニング用歯磨き粉には、過酸化水素は配合されていません。
日本では、医薬部外品として販売される歯磨き粉への過酸化水素の配合は、薬機法で厳しく制限されています。

過酸化水素の酸化作用が、不適切な使用によって口内の組織に損傷を与える恐れがあるためです。

また、日本では歯磨き粉は「清掃」を主な目的と位置づけられ、「漂白」や「ホワイトニング」を目的とした場合は、より厳格な安全性評価や臨床試験が求められるのです。

日本製歯磨き粉に配合のホワイトニング効果に期待できる成分

日本製の歯磨き粉には、過酸化水素の代わりとなる成分が配合されています。
過酸化水素と比べ、口内への副作用のリスクも比較的穏やかです。

上記成分に即効性はなく、過酸化水素に劣ります。
しかし、長期的な使用での歯や歯茎への負担が少なく、口内の健康を維持しながら徐々に歯の白さを感じられるようになるでしょう。

歯科衛生士が教えるホワイトニング歯磨き粉の効果を最大化する方法

ホワイトニング用歯磨き粉の効果を最大限に引き出すためには、生活習慣の見直しが必要です。

生活で着色を防ぐ習慣を身につける

歯の着色が気になる原因の多くが、飲食物によるものかたばこのヤニが考えられます。
歯の着色を防ぐためには、以下の生活の工夫が効果的です。

こうした予防的な習慣を身につけることで、ホワイトニング歯磨き粉の効果をより長く維持することができます。

口内の歯垢や歯石を取り除き清潔に保つ

ホワイトニング効果を最大化するためには、歯の表面を清潔に保つことが不可欠です。
歯垢や歯石が蓄積した状態では、ホワイトニング成分が歯の表面に十分に作用できないため、まずは口腔内を清潔に保つことが大切です。

歯医者でPMTCを受けると、歯の汚れを徹底的に取り除くことができます。
当院のPMCTについては、以下の記事を参考にしてください。

☞PMTCについて歯科衛生士が徹底解説丨 PMTCの効果や施術の流れを解説

また、毎日の丁寧な歯磨きを習慣化し、フロスや歯間ブラシを使用して、歯ブラシだけでは届かない部分の清掃も行いましょう。
綺麗な口内を保つことで、ホワイトニング用歯磨き粉の効果を実感できます。

オフィスホワイトニング後のホームケアとして活用する

歯医者で行うオフィスホワイトニングの効果をより長持ちさせるために、過酸化水素配合歯磨き粉を活用する方法もあります。

歯科医師の指示に従い、適切な頻度でホワイトニング歯磨き粉を使用するのがお勧めです。
オフィスホワイトニング後1〜2週間は、歯の感受性が高まっているため、低濃度の製品から始めましょう。

知覚過敏用の歯磨き粉と交互に使用することで、刺激を軽減しながらホワイトニング効果を維持します。
歯科医師や歯科衛生士と相談しながら、自分に最適なホームケアを見つけることが重要です。

ホワイトニングについては、以下の記事で詳しく解説しています。

☞【見た目だけじゃない？！】歯科医院でのホワイトニングのメリット4つを歯科衛生士が解説！

過酸化水素配合歯磨き粉は正しく使って効果的なホワイトニングケアに

過酸化水素配合ホワイトニング歯磨き粉は、正しい知識と使い方を守ることで、歯の白さの維持・改善ができます。
しかし、即効性を求めすぎて過剰使用すると、歯や歯茎にダメージを与えかねません。

海外製品を使用する場合は、特に使用方法や注意点をしっかり理解することが大切です。

自分に最適な歯を白くする方法を知りたい方は、ぜひ当クリニックにご相談ください。

ムクノキ歯科では、公式LINEやメールでのお問い合わせを24時間受け付けております。

些細なことでも悩みがある方は、お気軽にご相談ください。