
「歯を抜いた後は、何日くらい痛みが続くのか」
「食事や入浴はいつも通りできるのか」
特に初めて抜歯をする方は、このような不安を抱えることが少なくありません。
歯を抜いた後は痛みや腫れが治まるまで、無理せず生活することが重要です。
この記事では、抜歯後に起こりやすい症状や日常生活で気をつけたいポイント、セルフケアのコツ、歯を抜いた後の治療方法をムクノキ歯科の歯科衛生士である東山が解説します。
歯を抜いた後に起こりやすい3つの症状

歯を抜いた後、「数日経つのに痛みが続いている」と心配になる患者様は少なくありません。
痛み・腫れ・出血の程度は個人差があり、患者様によっては想像以上に症状が出ていると感じることがあります。
ここからは、抜歯後の患者様が不安に感じやすい症状について解説します。
①痛みが長引く
抜歯後の痛みは1日〜3日がピークで、徐々に軽くなっていくのが一般的です。
多くの患者様がズキズキした痛みを感じますが、無理せず、歯医者で処方された鎮痛剤を飲んで様子を見ましょう。
ただし、強い痛みが4日〜1週間経っても続く場合は、「ドライソケット」の可能性があるため注意が必要です。
ドライソケットとは抜歯後にできるかさぶた(血餅:けっぺい)が取れ、骨がむき出しになった状態のことをいいます。
心配なときは我慢せず、早めに歯医者へ相談しましょう。
②腫れが引かない
歯を抜いた後の腫れは痛みと同様に、2日〜3日をピークに1週間ほどで落ち着いてきます。
抜歯の難易度が高い場合は、腫れが長引くことがあります。
腫れはじんわりとした違和感に加えて、外出時の見た目にも影響するため、ストレスに感じる方も多いでしょう。
発熱や強い痛みがなければ、日数が経つことで腫れが引いてくることがほとんどです。
腫れが気になる場合は、タオルやガーゼにくるんだ保冷剤で患部を15分程度当てると効果的です。
冷やしすぎると血流が悪くなり、かえって治癒を遅らせるおそれがあるので当てすぎには気をつけてください。
③出血がある
抜歯後の出血はよくある経過で、ガーゼをしっかり噛んで圧迫することで多くの場合は自然に止まります。
帰宅後、唾液に血が混じっていると不安になりますが、歯を抜いた数時間〜1日程度は出血しやすい状態です。
強くうがいをすると血餅(けっぺい)と呼ばれるかさぶたが取れてしまうため、注意しましょう。
ガーゼを噛んでも出血が止まらない場合や、数日経って多量の出血がある場合は、歯医者の受診をお勧めします。
親知らずや虫歯の歯を抜いた後の過ごし方

抜歯後の生活に不安を感じる方は少なくありません。
過ごし方によっては痛みや腫れが悪化することがあるため、無理しないことが大切です。
ここからは、食事・運動・入浴・飲酒・仕事の場面で気をつけたいポイントを解説します。
【食事】柔らかいものを食べる
抜歯した後は傷口への負担が少なく、噛む力を極力必要としない食事を選びましょう。
お勧めの食事は以下のとおりです。
- 抜歯当日:ヨーグルト・ゼリー・冷ましたおかゆ
- 1日〜2日後:おかゆ・うどん・茶碗蒸し
- 3日〜4日後:シチュー・煮込み料理
- 5日〜:硬すぎないものから、徐々に普段通りに戻していく
一方で、以下のような食事は控えましょう。
- ストローを使った飲食
- 熱いもの
- 辛いもの
- ごま・ふりかけ・ナッツ
好きなものを食べたい気持ちを抑え、刺激の少ない食事を心がけることでスムーズに回復しやすくなります。
【運動】激しいスポーツは避ける
歯を抜いた後は激しい運動や長時間のトレーニングは控え、安静にしましょう。
ランニング・筋トレ・サウナといった心拍数や血圧が上がる運動は、血流がよくなり出血しやすくなります。
また痛みが強くなるケースがあるため、注意が必要です。
運動の再開は抜歯した3日後以降を目安に、軽いストレッチや散歩から行いましょう。
特に体をよく動かす運動を習慣にしている方は、医師に確認して再開するとよいでしょう。
【入浴】短時間のシャワーで済ませる
抜歯した当日は、湯船に浸からず短時間のシャワーにして、体を温めすぎないようにすることがポイントです。
長時間の入浴や熱いお湯は血行が良くなり、かさぶたが剥がれやすくなります。
次の日以降も長風呂は避け、体温を上げすぎないようにしましょう。
サウナへ行く場合は、歯医者へ確認を取ったうえで行くことをお勧めします。
特に寒い日はお風呂にゆっくり浸かりたくなりますが、体調を優先することが大切です。
【飲酒】数日は控える
アルコールは血管が広がり血流が増え、抜歯した部分の出血や痛みが再発しやすくなるため、最低でも2日〜3日は飲酒を避けましょう。
飲酒は抜歯部分の炎症だけでなく、痛み止めや抗生物質との飲み合わせにより体調を崩すおそれがあります。
ビールやハイボールといったアルコール度数の低いお酒でも、血行が促進されるため注意が必要です。
歯を抜いた部分の炎症が治まるまでは、飲酒を避けましょう。
【仕事】体への負担が少ない作業に抑える
力仕事や長時間の立ち仕事は血圧が上がるため、できるだけ負担の少ない業務への切り替えが重要です。
体を動かす仕事はもちろん、ストレスがかかると心拍数が上がり、痛みや腫れが悪化しやすくなります。
動きが多い仕事の方や難しい抜歯の場合は、職場に報告しておくと仕事の調整がスムーズです。
抜歯直後の仕事は体調をよく観察し、無理せず体の回復を最優先にしましょう。
歯を抜いた後の正しいセルフケア

ほとんどの患者様は、抜歯した後は1日でも早く治したいと考えるはずです。
歯を抜いた後は正しいセルフケアを行うことで、トラブルを防ぎやすくなります。
ここでは、抜歯後の歯磨きのコツと痛みが強いときの対処法について解説します。
歯磨きは抜いた場所を避ける
歯を抜いた後は傷口を避け、反対側を中心に磨きましょう。
抜歯した部分に歯ブラシが当たらないか心配だからといって歯を磨かずにいると、かえって口の中に汚れが溜まり、痛みが悪化することがあります。
1週間ほど経ち、傷口が気にならなくなればいつも通りの歯磨きが可能です。
傷口が治るまでは、電動歯ブラシや歯磨き粉は控え、優しく磨くことを意識しましょう。
痛みが強い場合の対策
抜歯後に痛みが強い場合は、我慢せずに歯医者の指導のもと痛み止めを服用しましょう。
痛みが出る前に予防的に服用しておくと、痛みのピークを抑えられます。
ただし、自己判断で量を増やすことは避け、必ず歯医者の説明に従って正しい間隔で服用することが大切です。
薬の服用だけでなく、患部の冷却や横になる時は頭を高くするといった工夫をすると痛みが落ち着く場合もあります。
強い痛みが続くときは、無理せず歯医者へ相談しましょう。
歯を抜いた後の主な3つの治療法

治療ごとに費用や保険適用の有無、耐久性が異なるため、患者様は具体的な特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。
ここからは、抜歯後に選ばれやすい3つの治療方法を紹介します。
①【ブリッジ】治療期間が短く、保険適用の素材を選べる方法
ブリッジは抜いた歯の両隣を削り、橋のように人工の歯をかぶせて固定する治療方法です。
インプラントに比べて治療期間が短く済み、選ぶ素材によっては保険が適用されるため、費用面でも取り入れやすい点が特徴です。
ただし、健康な歯を削る必要があり、歯磨きやお手入れをより丁寧に行わないと虫歯になりやすくなります。
将来的な治療の可能性を踏まえつつ、費用とのバランスをみて選ぶことが大切です。
②【インプラント】自然な噛み心地で長持ちしやすい方法
インプラントは顎の骨にチタン製のネジを埋め込み、人工の歯を固定する治療方法です。
歯のぐらつきがほとんどなく、自然に近い感覚で噛める点がメリットです。
治療期間は6ヶ月〜12ヶ月が一般的で、定期的なメンテナンスが欠かせません。
インプラント治療は保険が適用されず、1本あたり20万円〜40万円が相場です。
初期費用はかかりますが、適切にケアすることで10年以上使用できることも多いため、長期的に見るとコストパフォーマンスが高い治療といえます。
③【部分入れ歯】費用を抑えながら噛む機能を補う方法
部分入れ歯は残っている歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて固定し、抜歯部分を補う治療方法です。
ブリッジ同様に保険適用の素材を選べるため、費用を抑えたい方に適しています。
また、取り外して洗浄でき、口の中を清潔に保ちやすい点がメリットです。
一方で、洗浄剤で毎日お手入れする必要があるため、慣れるまでは負担に感じてしまうことがあります。
部分入れ歯は費用と手入れのバランスを考慮し、自分の生活スタイルに合わせて選びましょう。
まとめ:歯を抜いた後に痛みや腫れがひどいなら歯医者へ相談しよう

抜歯後は痛み・腫れ・出血といった一時的な症状が現れます。多くの場合は時間の経過とともに落ち着いてくるでしょう。
歯を抜いた後の数日間は食事・運動・入浴に気をつけ、できるだけ安静に過ごすことが大切です。
体調や抜歯部分の様子を見ながら、徐々に普段の生活に戻すことでトラブルを防ぎやすくなります。
痛みが強くなったり、数日経っても腫れが引かなかったりする場合は、我慢せずに歯医者へ相談しましょう。
痛みのない親知らずの抜歯については、以下で詳しく解説しています。
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