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銀歯は廃止されるの?まだ残ってる治療済み銀歯への今後の対応

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銀歯は廃止されるの?まだ残ってる治療済み銀歯への今後の対応|ムクノキ歯科

「銀歯が廃止されるって本当?」
「治療済みの銀歯はどうしたらいい?」

上記のように口内にある銀歯をどうしたらいいか迷っている方も多いのではないでしょうか?

医療保険制度の変更や歯科治療技術の進化を背景に、銀歯に関する治療も変わりつつあります。

この記事では、銀歯が廃止の方向に進んでいる背景や交換の必要性などをムクノキ歯科の歯科衛生士である東山が解説します。

今すぐ銀歯を白くしたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
☞銀歯を白くしたい方必見!保険適用と自費の違いを歯科衛生士が詳しく解説
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銀歯が廃止の方向に進んでいる背景

金属の使用を抑えたブリッジ|ムクノキ歯科

銀歯の使用が減少している背景には、医療技術の進歩と健康意識の向上があります。

以下の理由により、歯科治療における銀歯の位置づけが大きく変化しているのです。

①メタルフリー治療の浸透
②ドイツをはじめとする海外では銀歯が禁止されている
③歯科治療の技術進化
④金属の価格高騰による銀歯のコスト増

それぞれについて解説します。

①メタルフリー治療の浸透

メタルフリー治療とは、金属を一切使用しない歯科治療のことです。

メタルフリー治療が注目される理由は、健康面・審美面・安全面の3つのメリットにあります。

  • 健康面:金属アレルギーのリスクを完全に排除できる
  • 審美面:治療済みの歯が目立たず、笑顔に自信を持てるようになる
  • 安全面:金属イオンの溶出による歯茎の変色(メタルタトゥー)を防げる

特に、口内に長期間金属があることで発症リスクのある金属アレルギーへの懸念が高まっており、予防的な観点からメタルフリー治療が増加しています。

②ドイツをはじめとする海外では銀歯が制限されている

ドイツをはじめとする海外では、銀歯の使用が廃止傾向にあります。

ドイツでは妊婦や15歳未満の子どもに対して、水銀を含むアマルガムの使用が禁止、ヨーロッパ連合(EU)では2018年から段階的に使用制限が実施され、2030年には完全禁止される予定です。

北欧諸国でも同様の規制があり、スウェーデンやノルウェーでは早い段階から銀歯の使用を控える方針を取っています。

海外で「銀歯があるのは日本人」と言われるほど日本では一般的な材料ですが、国際的な動向を受けて白い材料への移行が加速しているのです。

③歯科治療の技術進化

CAD/CAMシステムとセラミック技術の発達により、ある程度の強度と美しさを兼ね備えた材料が実用化されています。

CAD/CAMシステムは、コンピューターで設計し、機械で精密に加工する技術です。

2024年には、CAD/CAMを使用した被せ物の保険適用範囲が広がりました。

患者様一人ひとりの歯に最適な形状の詰め物や、被せ物を短時間で製作できます。

歯科業界の技術革新により、見た目の美しさだけでなく、耐久性の面でも治療の選択肢が増えています。

2024年の保険適用範囲の詳しい変更内容についても以下の記事で解説しているので、あわせて読んでみてください。
☞銀歯を白くしたい方必見!保険適用と自費の違いを歯科衛生士が詳しく解説

④金属の価格高騰による銀歯のコスト増

近年の金属価格高騰により、銀歯の材料費も大幅に上昇しています。

銀歯に使用される「金銀パラジウム合金」の主成分であるパラジウムの価格は、この10年間で約5倍にまで上昇しました。

歯科材料の価格変動は、全国の歯医者の経営に大きな影響を与えているのです。

一方でセラミック素材の価格は、技術の普及により価格が安定しており、コストパフォーマンスの観点からも白い材料が選ばれる機会が増えています。

経済的要因も、銀歯から白い材料への移行を後押ししている重要な背景の一つになっているです。公式LINEバナー|ムクノキ歯科

20年以上前の銀歯はやり替えを検討すべき?

長期間使用している銀歯には、健康リスクや機能面での問題が生じる可能性があります。

以下の理由から、銀歯のやり替えを検討した方がよいケースが挙げられます。

①過去の銀歯に含まれる水銀(アマルガム)の健康リスク
②時間経過による劣化や虫歯の再発リスク
③黒ずみや変色など審美性の低さ

口内の古い銀歯は、歯医者で状態の確認をお勧めしています。

①過去の銀歯に含まれる水銀(アマルガム)の健康リスク

20年以上前の治療した銀歯には、約50%の水銀(アマルガム)が含まれており、健康リスクが懸念されています。

水銀は重金属の一種で、長期間体内に蓄積されると神経系や腎臓に悪影響を及ぼす恐れがあるのです。

WHO(世界保健機関)も歯科用アマルガムを水銀の主要な原因の一つとして認識しており、可能な限り使用を控えるよう推奨しています。

②時間経過による劣化や虫歯の再発リスク

銀歯は時間の経過とともに劣化し、歯との間に隙間ができると、再治療が必要になります。

金属は温度変化によって膨張と収縮を繰り返すため、長年使用していると歯との適合性が悪くなるのです。

金属と歯の隙間に細菌や食べかすが侵入すると、銀歯の下で虫歯が進行する「二次虫歯」のリスクが高まります。

二次虫歯は発見が難しく、気づいた時には大きく進行しているケースも少なくありません。

トラブルが起きる前に、適合性の悪い銀歯はやり替えの検討が推奨されます。

③黒ずみや変色など審美性の低さ

古い銀歯は時間とともに黒く変色し、審美性が大きく損なわれていきます。

また金属イオンが歯茎に沈着することで、歯茎が黒く変色する「メタルタトゥー」という現象も起こりやすいです。

歯茎の変色は歯磨きでは除去できず、見た目に大きな影響を与えます。

特に笑った時や口を開けた時に目立つため、人前で話すことに自信を失う方も少なくありません。

再治療することにより、自然で美しい口元を取り戻すことができ、自信を持って笑顔を見せられるようになります。

今でも銀歯を入れるケースはある

銀歯の入った奥歯|ムクノキ歯科

現在でも、特定の条件下では銀歯が選択される場合があります。

銀歯は完全に廃止されたわけではなく、患者様の状況から「銀歯が最適」と歯科医師が判断した場合、治療の選択肢となり得ます。

歯科医師によって治療材料に対する考え方や提案方針に違いがあり、審美性を重視したセラミック治療を積極的に推奨する人もいれば、耐久性を考慮して銀歯を提案する人もいます。

噛んだ時に奥歯にかかる力は、体重と同程度または2倍以上になると言われ、強度を重視して奥歯に銀歯を装着するケースがあるのです。

複数の治療法について十分な説明を受け、メリットとデメリットを理解したうえで選択しましょう。

またセカンドオピニオンを求めることも、納得できる治療を受けるための有効な方法です。

よくある質問(Q&A)

よくある質問|ムクノキ歯科

銀歯の廃止について、患者様から寄せられることの多い質問にお答えします。

Q. 今も銀歯を使っている歯科医院はある?

はい、現在も保険適用の銀歯治療は行われています。

金銀パラジウム合金の銀歯は、完全に廃止されたわけではなく、特に奥歯の治療では今でも選択されることがあります。

ただし、歯科医院によってはメタルフリー治療を推進し、白い材料を積極的に提案するところも増えています。

治療前にしっかりと治療法について、説明を受けることをお勧めします。

Q. 銀歯に痛みがなくても受診していいの?

はい、痛みがなくても歯科受診は可能です。

銀歯の下で進行する二次虫歯は初期段階では痛みを感じない可能性が高く、症状が出た時には既に大きく進行している恐れがあります。

特に20年以上経過した古い銀歯は、交換のタイミングを適切に判断するためにも定期的なチェックが欠かせません。

定期検診により、レントゲンや視診で再治療が必要か早期発見できます。

Q. 見た目以外の理由でセラミックにする価値は?

セラミックは保険適用の白い材料よりも強度が高く、汚れが付きにくいです。

また色の変化も少なく、長期間美しさを保てます。

ただし、強い衝撃で割れる可能性があるため、費用対効果を考慮して選択することが大切です。

Q. 子どもの銀歯はどうなる?

子どもの治療でも白い材料への移行が進んでいます。

乳歯では現在も銀色を使用するケースがありますが、白い材料も選択可能です。

ただし、乳歯は生え替わるため見た目を重視するかは、保護者と歯科医師の判断によります。

子どもにとって最も重要なのは、歯磨き予防により虫歯を作らないことです。

まとめ:銀歯のやり替えは「今すぐ」ではなく「状態を見て」判断を

歯科医師と相談する患者|ムクノキ歯科

銀歯の交換は緊急性よりも、一人ひとりの状態に応じた適切な判断が重要です。

銀歯が完全に廃止されたわけではありませんが、メタルフリー治療の普及や海外の動向、技術の進歩により白い材料への移行が進んでいます。

特に20年以上前のアマルガムや劣化が進んだ銀歯については健康リスクがあるため、歯科医師による定期的な検診が大切です。

ただし、現在問題なく機能している銀歯を慌てて交換する必要はありません。

銀歯の状態・周囲の歯・歯茎の健康状態・患者様の価値観を総合的に考慮して、交換時期を決めることが最も適切な選択と言えるでしょう。

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