
「歯の寿命は平均で何年くらいなのだろう?」
「自分の歯は何歳まで使えるの?」
このように歯の寿命について疑問に思ったことはありませんか。
歯は毎日の食事や会話を支える大切な存在です。
歯の寿命は年齢だけで決まるものではなく、虫歯や歯周病、噛み合わせの影響、日々のセルフケアなどさまざまな要因が関係すると考えられています。
この記事では、歯の寿命はどのように考えられているのか、歯を失う主な原因、将来の歯を守るためにできることについて解説していきます。
これからの人生をできるだけ自分の歯で過ごすために、まずは正しい知識を得ることから始めてみましょう。
歯の寿命は平均何年?

永久歯は、一度生えると生え変わることのない歯です。
適切なケアを続けていくと、長く使い続けられる可能性があります。
厚生労働省の「令和4年歯科疾患実態調査」によると、年齢別の平均現在歯数(平均して残っている歯の本数)は以下のように減少傾向にあります。
- 45〜49歳:約27.8本
- 55〜59歳:約26.5本
- 65〜69歳:約23.8本
- 75〜79歳:約18.1本
※一部年代を抜粋して記載しています。
出典:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査」
永久歯は親知らずを除く、28本が一般的です。
このデータをみると「思ったより少ない」と感じるかもしれません。
ただしこれはあくまで平均値であり、適切なケアをしている方は高齢になっても多くの歯が保っているケースもあります。
歯の寿命は年齢だけで決まるものではなく、日々の積み重ねによって左右されると考えましょう。
歯の寿命が縮んでしまう4つの原因

歯は突然弱くなるわけではありません。
多くの場合、以下の4つのような複数の原因が重なって寿命に影響します。
①虫歯治療の繰り返しによる歯への負担
虫歯は削って修復するのが一般的な治療です。
しかし、歯は削るたびに構造が薄くなるため、治療回数が増えるほど歯の寿命は短くなる傾向があります。
虫歯がかなり進行した状態では、神経をとる処置が必要になることがあります。
神経を失った歯には栄養が行き届きにくくなるため、割れやすくなり、最終的に抜歯となるケースもあるでしょう。
治療を重ねることが歯の負担になる可能性があるため、虫歯を繰り返さないことが重要です。
②歯周病による歯を支える組織の破壊
歯周病とは歯茎や歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)に炎症が起こる病気です。
歯の表面についた歯垢(プラーク)に含まれる細菌が原因となり、歯茎に炎症が生じます。
初期の段階では、歯茎が少し腫れたり歯磨きの時に血が出たりなど軽い症状が中心で、強い痛みを感じることは比較的少ないとされています。
だたし、放置しておくと気づかないうちに進行してしまうことがあるのです。
歯周病が進行すると、炎症が歯を支える骨にまで広がり、少しずつ骨が溶けていきます。
歯がぐらついたり、最終的には抜歯が必要となったりするケースに繋がるでしょう。
③歯ぎしりや食いしばりによる慢性的なダメージ
歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯茎に少しずつ負担をかけ、寿命を縮める原因になります。
歯をギリギリと左右に擦り合わせたり、強く噛み締めたりする癖は、無意識のうちに強い力が歯に加わっている状態です。
特に睡眠時は力をコントロールできないため、日中よりも大きな負担がかかりやすくなるでしょう。
強い力が繰り返しかかると、歯の表面に細かいヒビが入ったり、詰め物や被せ物が破損したりします。
さらに見落としやすいのが、歯周病への影響です。
歯ぎしりや食いしばりそのものが歯周病の直接の原因になるわけではありません。
しかし、すでに歯茎や骨に炎症がある場合、強い力が加わることで、歯を支える組織へのダメージが大きくなることがあるのです。
歯周病が進行している歯のぐらつきが強くなったり、症状の進行を早めたりします。
④間違ったセルフケアによる歯と歯茎への影響
歯の健康によいと思って続けているケアでも、方法を誤ると歯や歯茎を傷つけてしまうことがあります。
「しっかり磨こう」と意識するあまり、強い力でゴシゴシと磨いてしまう方は少なくありません。
しかし、過度な力でのブラッシングは、特に歯茎に負担をかけます。
歯茎が下がると、本来は歯茎に守られている歯の根元部分が露出しはじめるのです。
特に歯茎が下がって現れた歯の根元部分は、冷たいものがしみやすく知覚過敏の症状が現れやすいでしょう。
歯の寿命が短くなることで起こる体の変化

歯の寿命というと「何本残っているか」と数字だけに目が向きがちです。
しかし実際には、歯の本数が減ることで、体の使い方や生活の質にも少しずつ変化が生じます。
ここでは、歯の寿命が短くなることで起こりうる代表的な変化について解説します。
噛む力が低下し硬いものが食べにくくなる
歯が少なくなると、硬いものや繊維の多い食品が噛みにくくなります。
柔らかい食べ物中心の食事となり、栄養バランスが偏る可能性も考えられるでしょう。
特に野菜や肉類など、しっかり噛む必要がある食品が食べられないと、たんぱく質やビタミン、食物繊維などが不足しやすくなります。
食事の内容が変わると、体力や筋力の維持にも影響を与えるため、食事しやすい歯でいることは健康管理のうえでも重要なパーツの一つといえるでしょう。
発音や会話しにくくなる
歯は発音にも深く関わっています。前歯は特に「サ行」「タ行」などの発音に大切な役割を果たしています。
歯を失うと空気の抜け方が変わり、発音しづらさを感じることがあるでしょう。
会話がしにくいと、人とのコミュニケーションを控えるようになる方もいます。
噛み合わせの変化と顎への負担が増す
歯が抜けたままの状態が続くと、歯のない場所へ向けて周囲の歯が傾いたり、噛み合う歯が伸びてきたりします。
噛み合わせが乱れ、特定の歯や顎に負担が集中するリスクが高まるでしょう。
噛み合わせのバランスが崩れると、顎の疲れや違和感、さらに残っている健康な歯への過剰な負担につながりやすいです。
すぐには大きな症状として現れなくても、長い時間をかけて周囲の歯の寿命を縮める事態になりかねません。
歯の寿命を延ばすために今日からできる3つのこと

歯は一度大きく削ったり、抜いたりすると元の状態には戻せません。
トラブルが起きてから対処するのではなく、日頃から負担を減らすことが大切です。
ここでは、今日から意識できる3つのポイントをご紹介します。
①毎日の歯磨きは正しい方法を意識
歯磨きで重要なのは、長時間磨くことではなく「正しい方法で磨くこと」です。
まず意識したいのは力の強さです。歯ブラシの毛先が広がらない程度の優しい力で、小刻みに動かすのが基本とされています。
強く磨きすぎると、歯や歯茎を傷つける可能性があるためです。
次に、磨く場所も意識しましょう。歯と歯の間や、歯と歯茎の境目は汚れが溜まりやすいと言われています。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用するとより清潔に保てるでしょう。
また、寝る前の歯磨きは特に大切です。寝ている間は唾液の分泌が減るため、細菌が増えやすい環境になります。
1日の終わりに丁寧に汚れを落とすことが、歯の寿命を守るための最初のステップです。
②定期検診による専門的な管理
セルフケアだけでは、すべての汚れを取りきることは難しいです。
歯石(硬くなった歯垢)は歯ブラシでは除去できません。
定期的に歯医者で検診を受けると、次のことが行えます。
- 初期の虫歯の確認
- 歯周病の進行チェック
- 歯石や着色の除去
- 噛み合わせの確認
- ブラッシング指導
虫歯や歯周病は、初期段階では自覚症状が少ないため、症状が出てから受診するのではなく症状がなくても確認することが大切です。
検診の頻度はお口の状態によって異なりますが、一般的には3〜6ヶ月に一度の受診が推奨されます。
③歯ぎしり対策の検討
歯ぎしりや食いしばりの習慣がある場合、知らないうちに歯へ大きな力がかかっていることがあります。
就寝時に装着するマウスピース(ナイトガード)を検討するとよいでしょう。
マウスピースは歯に直接かかる力を分散させ、ダメージを軽減する目的で使用されます。
まとめ:歯の寿命を延ばすには日々のケアと定期的な管理が必要不可欠です

歯の寿命は、年齢だけで決まるものではありません。
毎日の歯磨き、歯医者での定期的なチェック、歯ぎしりの負担への対策などといった日常の積み重ねが寿命を左右します。
歯は削る、抜くといった処置を重ねると元に戻すことはできなくなります。
悪くなってから治すよりも「悪くならないように守る」という考え方が重要です。
現在は痛みや不調がなくても、自分からは見えにくい口内では変化が進んでいることもあります。
まずは今のお口の状態を把握し、必要に応じて適切なケアを続けていくことが、将来の歯を守ることにつながるでしょう。
ムクノキ歯科では、公式LINEやメールでのお問い合わせを24時間受け付けております。

